Facebook幹部の非情な決断:韓国警察の逮捕状に部下を身代わりに
元Facebook(現Meta)グローバル公共政策部門ディレクターのサラ・ウィン-ウィリアムズ氏が、同社の韓国における法執行機関との対立の実態を暴露した。韓国警察のサイバー犯罪課が捜査に乗り出し、逮捕状を請求した際、Facebookの幹部は自身ではなく部下を身代わりとして差し出すという非情な判断を下したという。
ウィン-ウィリアムズ氏は、国際弁護士としての経験とFacebook在籍時の内部情報に基づき、同社が現地の法律を徹底的に無視する姿勢を貫いてきたと指摘する。特に韓国では、Facebookがゲームコンテンツを当局の審査に提出し承認を得ることを義務付ける法律が存在するにもかかわらず、同社はその存在を認めず、韓国政府や警察の管轄権を否定し続けてきた。
現地法無視の姿勢:バーチャル国家とリアル国家の衝突
Facebookの経営陣は、自社が掲げる「価値観」が各国の法律と衝突した場合、後者よりも前者を優先する考えを持っているとウィン-ウィリアムズ氏は述べる。同社は、Facebookを名指しで規制する法律や管轄権を明確に定めた法律が存在しない限り、その国の政府にFacebookを規制する権限はないと主張している。その結果、例えば地方自治体が虚偽広告の削除を求めても、関連法がなければFacebookは対応しない。
しかし、こうした姿勢は韓国だけでなく、ブラジル、インド、フランスなど他の国々でも摩擦を引き起こしている。ウィン-ウィリアムズ氏は、これらの国々でFacebookの海外拠点が武装または非武装の「訪問」や「強制捜査」の対象となった事例が頻発していると明かす。現地法人の責任者から「銃を持った男が来て、Facebookはいつブラジルで納税する予定かと尋ねている」といった電話がかかってくることもあったという。
リスク緩和策としての「身代わり」:インドでは元警察幹部を雇う
こうした事態が頻発する中、Facebookは強制捜査への対処マニュアルを用意するに至った。その内容には、Facebookのネットワークへのアクセス遮断も含まれている。ウィン-ウィリアムズ氏は、Facebookのような「バーチャル国家」とブラジルや韓国のような「リアル国家」との決定的な違いは、後者には本物の武器を携帯した本物の警察がいることだと皮肉を込めて指摘する。
特にインドでは当局との摩擦が深刻で、Facebookは元警察幹部を雇い、退屈で官僚的な肩書きを与えていた。政策チームはこの人物を「逮捕される事態をうまく処理できる人」、つまりインド政府と衝突した場合に「みんなの代わりに牢屋に行く人」と見なしていたという。これは、韓国で幹部が部下を逮捕の身代わりに選んだ行為と同様の「リスク緩和策」である。
ウィン-ウィリアムズ氏は、Facebookが事業を展開する国の政府や警察機関の権限を否定することは正当化できないと批判。韓国には明確な法律が存在するにもかかわらず、Facebookがその事実を認めようとしないことに強い憤りを示している。



