アリババ「千問」、バイトダンス「豆包」がAI擬人型チャット終了、当局規制強化が背景か
アリババ「千問」、バイトダンス「豆包」がAIチャット終了

中国のインターネット大手アリババグループとバイトダンスが提供する人気AI対話サービス「千問」と「豆包」が、擬人型チャット機能の終了をユーザーに通知した。背景には中国政府によるAI規制の強化があるとみられる。

チャットサービス終了の経緯

アリババの「千問」とバイトダンスの「豆包」は、PC版ウェブページの画面上部にチャットサービス終了を告知するテロップを表示。両社は具体的な理由を明らかにしていないが、中国国家インターネット情報弁公室が2025年4月30日に発表した「AI擬人化対話型サービス管理に関する暫定規則」が影響しているとみられる。この規則は、AIが人間のように振る舞う対話サービスを厳しく規制する内容で、ポルノチャットや「一鍵脱衣」、AI占いなどの違法・風紀紊乱機能を禁止している。

モバイルデータ調査機関Quest Mobileの報告によると、3月時点の月間アクティブユーザー数(MAU)は、豆包が約3億4500万人、千問が約1億6600万人で、規制対象となる下限を大幅に上回っている。両サービスは中国のAIチャット市場でトップクラスのユーザー基盤を持つ。

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当局の規制キャンペーン

国家インターネット情報弁公室は4月30日夕方、「インターネットの浄化、AIアプリケーションの混乱是正」を目的とした4ヶ月間の全国特別キャンペーン開始を通知した。違反行為として、ポルノチャット、ワンクリックで衣類除去画像を表示する「一鍵脱衣」、AI占いなどの違法AI機能を列挙。こうした社会風俗上好ましくないサービスの蔓延を受け、中国当局が本格的な規制に乗り出した形だ。

AIエージェントへのシフト

今回中止されたチャットサービスは、特定の知識データベースに基づき独自キャラクターが応答するもので、ロールプレイや英語の個別指導、特定シナリオに基づく文案生成などに利用されていた。例えば、「中学生が理解できるように中学教師が百科事典の知識を説明してください」という入力に対し、チャットボットが中学教師の指導スタイルで回答するといった具合だ。また、模擬面接、性格診断、タロット占いなどのサービスも含まれていた。

混乱を招きかねない点として、今回中止されたチャットサービスと、最近流行しているAIエージェントサービスの両方が中国語で「智能体」という名称を使用していることが挙げられる。AIエージェントは人間の指示を待たずに自律的にタスクを遂行する機能であり、対話を通じて指示されたタスクを一つずつこなすチャット機能とは対極にある。しかし、AIエージェントの登場以前にチャットサービスがこの名称を使用していたため、混在状態が続いている。

大手企業の戦略転換

アリババやテンセントなどのインターネット大手は最近、AIエージェントの展開に軸足を移している。旗艦アプリにエージェント機能を追加し、AIが自律的にお勧めの食事や買い物を提案し、ユーザーが承認すれば注文から決済まで完了するサービスを提供。今後はこの分野での競争が激化する見通しだ。

本記事は「財新」の提供記事であり、中国語原文の配信は7月4日。日本読者向けに要約・補足した。

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