AI面接に踏み切る企業の本音と学歴不問のタテマエに潜む評価の難題
AI面接に踏み切る企業の本音と学歴不問のタテマエの難題

公平さを求めてAI面接を導入する企業と、後ろ向きな就活生のギャップ

AI面接の導入が進む日本企業で、人事部門と就活生の間に認識のずれが生じている。企業側は、人間の面接官による当たり外れがなく、パワハラやセクハラのリスクも排除できる点を評価する。あるエンジニアリング企業の人事関係者は、「AI面接にはデメリットや限界がありますが、人間が対応するのと比べて、面接官の当たり外れがなく、至って公平です。パワハラ・セクハラもありません。就活サイトやSNSでは、AI面接のメリットが伝わらず、デメリットばかりが強調されているように見受けられます」と語る。一方で、小売り企業の担当者は「AI面接が始まってそんなに時間が経っていないので、就活生は不安に思っているのでしょう。我々だって不安です。ただ、就活生にとってメリットが大きいことは間違いなく、趣旨や運用方法などを丁寧に説明すれば、やがて定着するのではないでしょうか」と、導入の方向性は変えない考えを示す。建設業界の人事担当者も「AI面接の導入という方針は変わらない」と断言する。

評価項目の設定が最大の課題に

企業がAI面接を定着させる上で、最大の難関は評価項目の設定だ。性別、容姿、障害の有無などを評価項目にできないのは当然だが、出身大学や年齢、話し方の癖などをどう扱うかは、人事担当者を悩ませる。ある食品メーカーの担当者は、「過去のデータから、潜在的学習能力と出身大学には強い相関があります。当社は採用で学歴不問としていますが、これまでは潜在的学習能力を出身大学と面接官の感覚でなんとなく評価してきました。AIを導入するとなると、なんとなくではだめで、出身大学を評価するのかしないのか、明確に決める必要があります」と打ち明ける。また、金融業界の担当者は、AIの活用方法や評価項目の開示範囲について、「AI面接を導入した際、最終判断は人が行うことを明示しました。にもかかわらず、SNSには『AIによって落とされた』という声が出ていました。AIの活用方法や評価項目をオープンにするのが原則ではあるものの、人事部門として一定の裁量を持ちたいという考えもあり、答えは出ていません」と、ジレンマを露呈する。

AI面接導入はまだ始まったばかり、試行錯誤が続く

日本企業におけるAI面接の導入は、まだ緒に就いたばかりだ。人事部門は、公平性と透明性のバランスを模索しながら、最適なAI面接の形を確立していく必要がある。今回の調査では、多くの企業がAI面接のメリットを認めつつも、評価項目の設定や情報開示の線引きに苦慮している実態が浮き彫りになった。今後、AI面接が就活生に広く受け入れられるかどうかは、企業がこれらの課題にどう対応するかにかかっている。

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