折りたたみiPhoneは実現するのか
折りたたみiPhoneが登場するとしたら、どんな製品になるのだろうか。ジャーナリストの松村太郎氏は、最新のアメリカ現地イベント(WWDC)で示された重要なヒントを基に、Appleの戦略を読み解く。
折りたたみスマートフォン市場では、Samsung Galaxy Z FoldシリーズやGoogle Pixel Foldなどが先行している。しかし、Appleはまだ折りたたみiPhoneを発表していない。だが、WWDCでの発表内容から、Appleが可変画面端末に向けた準備を着実に進めていることがうかがえる。
UI設計のパラダイムシフト
従来のiOSアプリ開発では、画面の向き(縦か横か)に依存したUI設計が一般的だった。しかし、折りたたみ端末では、開閉状態や表示領域の広さに応じてアプリの表示が変化する必要がある。松村氏は「開発者は端末・画面の向きだけではなく、実際の表示領域に基づいてUIを組む必要がある」と指摘する。
これは地味だが本質的な変更であり、AppleはiPhoneアプリの設計思想を「縦か横か」から「どれだけの空間があるか」へ移そうとしている。この変化は、将来の折りたたみiPhoneを見据えたものと言える。
MacがUI試験場に
WWDCで発表されたiPhoneミラーリングのリサイズ対応は、Mac連携機能の強化であると同時に、将来の可変画面iPhoneに向けた安全な実験場としての役割を果たしている。松村氏は「個人的には、iPhoneミラーリングのサイズ変更は、別にWWDCで触れなくてもよかったのではないか」と述べ、あえて取り上げたことに意図を感じると語る。
具体的には、開発者はMac上でiPhoneアプリをさまざまなサイズやアスペクト比に変えながら検証できるようになった。また、Xcode 27のプレビュー画面にもリサイズハンドルが追加され、iPhoneミラーリングやiPad上のiPhoneアプリとして動作した場合の見え方を即座に確認できる。
これは、折りたたみiPhoneのような未発表ハードウェアを使わずとも、未知の画面サイズやサイズ可変に備えた準備を開発者に促す仕組みといえる。
折りたたみiPhoneは小型iPadになるのか
折りたたみiPhoneの形状については、小型iPadのようなデバイスになる可能性が指摘されている。折りたたみ時のコンパクトさと、展開時の大画面を両立するデザインが想定される。AppleはすでにiPadで可変画面の経験を積んでおり、その技術をiPhoneに応用するのは自然な流れだ。
ただし、Appleが折りたたみiPhoneをいつ発表するかは不明だ。市場の動向や技術的な成熟度を見極めながら、慎重に準備を進めているとみられる。



