アシカの心臓からそうめんのような寄生虫3匹発見、動物園の獣医師不足浮き彫りに
アシカ心臓に寄生虫3匹、動物園獣医師不足浮き彫り

人気のショーで活躍していたカリフォルニアアシカが、進行した肝臓がんにより死亡した。解剖の結果、心臓からはそうめんのような細長いフィラリア(犬糸状虫)が3匹見つかり、動物園における獣医師不足の深刻さを改めて浮き彫りにした。

肝臓がんと黄疸、かゆみによる脱毛

このアシカは、飼育員が感染症を疑うほどの症状を示していたが、獣医師の中村進一氏(獣医病理学専門家)によれば、実際には肝臓がんによる肝機能障害が死因だった。肝臓がんが進行すると黄疸が生じ、皮膚にかゆみが出ることがある。アシカは前あしで皮膚を引っかいたり壁にこすりつけたりした結果、脱毛して赤くなっていた。

肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるように病気が進むまで症状が出にくい。さらにアシカは体が大きく、褐色の毛や色素の濃い皮膚、厚い皮下脂肪に覆われているため、イヌやネコのように簡単に触診できず、レントゲン検査も容易ではない。中村氏は「仮にこの動物園に獣医師が常駐していたとしても、今回の肝臓がんを早期に発見し命を救うことは難しかったでしょう」と述べている。

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心臓から発見された寄生虫

しかし、アシカの体内の異常は肝臓がんだけではなかった。心臓を開くと、そうめんのような細長い生き物が確認できただけで3匹いた。それはフィラリア(犬糸状虫)だった。フィラリアは蚊が媒介する寄生虫で、幼虫を持った蚊が動物の血を吸うと体内に侵入し、脱皮を繰り返しながら成長して心臓や肺の血管に到達し成虫となる。主な宿主はイヌだが、ネコやフェレット、アザラシやアシカなどの海棲哺乳類にも寄生することがある。

動物園が抱える獣医師不在の問題

中村氏は「獣医師がいない動物園では動物の健康が損なわれやすい」と指摘する。今回の事例は、寄生虫の発見が偶然であったとしても、専門医の不在が動物の健康管理にどれほど影響するかを示している。動物園の獣医師不足は長年の課題であり、ショーで人気のアシカですら早期発見が難しいケースがあることが明らかになった。

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