グーグルは東京・表参道に旗艦店「Google Store 表参道」を開き、スマートフォン「Pixel」の販売支援に加え、AIや各種サービスを体験できる場を提供している。同店は、端末単体ではなく、複数の機器やサービスを結び付ける接点としての役割を担う。
キャリアとメーカーの役割分担の変化
総務省は長年、通信契約と端末値引きが過度に結び付く販売慣行の見直しを進めてきた。通信会社が契約者を獲得するために端末を大幅に値引く競争を繰り返すと、利用者にとって端末の実質負担額や契約条件がわかりにくくなるためだ。
制度見直しによりスマホの売り方は変化しているが、キャリアショップが日本のスマホ販売・サポートの中心であることはすぐには変わらない。ただし、回線契約の窓口と端末を深く理解する窓口には、それぞれ異なるスキルが求められる。
メーカー店舗は補完役として拡大へ
今後のメーカー店舗は、キャリア店舗の代替ではなく補完役として増えるべきだ。キャリアは通信回線、料金、契約、広域のアフターサポートを担い、メーカーは新機種の体験、専門的な操作説明、アクセサリーの提案、修理、利用者コミュニティの形成に力を注ぐ。この分担が進めば、利用者は手続きの相談先と製品を使いこなすための相談先を選べるようになる。
ただし、東南アジアの大型ショッピングモールのように、すべてのメーカーが全国の商業施設へ独立店を構えるのは現実的ではない。人件費や賃料の負担は大きく、十分な販売量を確保できないメーカーにとって、常設店は重い投資になる。有力都市に旗艦店を置き、家電量販店やショッピングモールでは専門スタッフを置いた専用売り場を増やす組み合わせが、日本では現実的とみられる。
AI時代のスマホ売り場の象徴
グーグルの表参道進出やシャオミの店舗網拡大は、スマホ販売が「通信契約とセットで売る」モデルだけではなくなりつつあることを示している。AIがスマートフォンの中心的な価値になる今、利用者は端末を購入しただけでは機能を使いこなせない場合もある。自分の仕事や生活で何に使えるのかを知り、必要に応じて相談できる場が必要だ。
Google Store 表参道は、日本のスマホ売り場が契約手続きの場から体験と支援の場へ広がる象徴といえる。



