2026年4月に完了した有人月周回ミッション「アルテミス2号」で、宇宙飛行士たちを悩ませたトイレトラブルの詳細が明らかになった。問題はトイレ本体ではなく、液体を船外に排出する配管での凍結が原因だった。
トイレ故障の真相と飛行士の評価
ミッションコマンダーのリード・ワイズマン氏は、帰還後の4月16日の記者会見で「あのトイレは素晴らしかった」「あの性能は抜群だった」と述べ、トイレそのものの性能を高く評価した。その上で、問題は液体廃棄物を船外に排出する配管で凍結が発生したことにあると強調した。
NASAは現在、この配管凍結問題の原因を究明中であり、2027年以降に予定されるアルテミス3号ミッションまでに完全な解決を目指している。
アルテミス計画の見直しと今後のスケジュール
NASAはアルテミス2号の打ち上げ前に、アルテミス3号と4号のミッション内容を改訂。アルテミス3号は2027年、アルテミス4号は2028年に設定された。新しい計画では、当初予定されていたアルテミス3号での月面着陸をアルテミス4号に延期し、代わりに地球低軌道上でオリオン宇宙船と月着陸船のドッキング試験を実施する。
この月着陸船は現在、SpaceXとBlue Originの2社が開発中。スケジュールが合えば、オリオン宇宙船は一度のミッションで2機の月着陸船とのドッキング試験を行うことになる。
Blue Originのロケット事故とその影響
しかし、Blue Originは2026年5月28日、月着陸船の打ち上げに使用する予定のNew Glennロケットが試験中に大爆発する事故を発生。ロケットを失っただけでなく、発射台にも深刻な損傷を与えた。
この事故により、同社がアルテミス3号ミッションまでに準備を整えられるか疑問視する声が広がっている。しかし、Blue Originは「月着陸船およびその他の着陸装置のサブシステムの製造は順調に進んでいる」と述べ、「アルテミス3号に向けてロケットを完成させ、2027年の打ち上げ準備が整うことを期待している」とコメントしている。
月面基地建設が本格化する2020年代、地球外環境での生活の質(QOL)を高める技術開発はますます重要となる。オリオン宇宙船のトイレ問題は、宇宙空間や月面でのストレス軽減に向けた改善が続けられることを示唆している。



