アップルが中国スマートフォン市場で苦戦を強いられている。2025年第1四半期(1~3月)の出荷台数シェアは前年同期比で約25%減少し、3位に転落した。市場調査会社カウンターポイント・リサーチのデータによると、アップルのシェアは約15%で、首位のファーウェイ(約19%)、2位のOPPO(約17%)に次ぐ順位となった。
ファーウェイの復活と中国勢の攻勢
ファーウェイは米国制裁の影響で一時的にシェアを落としたが、自社開発の半導体「Kirin」を搭載したハイエンドモデル「Mate 60」シリーズの投入により、中国市場で急速にシェアを回復。2025年第1四半期には前年同期比で70%近い出荷増を記録した。また、OPPOとVIVOもミッドレンジからローエンドまで幅広い価格帯で製品を展開し、アップルのシェアを蚕食している。
アップルは2024年後半に発売した「iPhone 16」シリーズで、AI機能を強化したことが話題を呼んだが、中国市場では価格の高さがネックとなり、販売は伸び悩んでいる。特に、中国政府の景気減速や消費者の節約志向が強まる中で、高級スマートフォン市場全体が縮小傾向にある。
値下げ戦略も限定的な効果
アップルは中国市場で販売促進のため、一部のiPhoneモデルで最大20%の値下げを実施した。しかし、カウンターポイントのアナリストは「値下げは短期的な効果しかなく、ブランド価値を損なうリスクがある」と指摘。中国の消費者は価格だけでなく、カメラ性能やバッテリー駆動時間、独自OSへのこだわりなど、多様なニーズを持っており、アップルはこうした要求に応える必要がある。
一方、ファーウェイは「HarmonyOS」のエコシステムを強化し、アプリの互換性やクラウド連携で差別化を図っている。中国市場では、政府系機関や国有企業がファーウェイ製品を優先的に採用する動きもあり、アップルは政治的な逆風にも直面している。
今後の見通しと課題
アップルは2025年後半に発売予定の「iPhone 17」シリーズで、より革新的な機能を搭載すると見られるが、中国市場でのシェア回復は容易ではない。同社は中国における販売チャネルの見直しや、ローカルブランドとの提携など、新たな戦略を模索している。
市場全体では、中国スマートフォン市場は2025年に前年比で微増の見込みだが、競争はさらに激化すると予想される。アップルが再びトップシェアを奪還するには、中国消費者に響く製品と価格設定が求められる。



