北海道宇宙サミット開幕、国内射場の需要高まる…帯広でカンファレンス
北海道宇宙サミット開幕、国内射場の需要高まる…帯広で

北海道宇宙サミット(実行委員会主催、道など共催)が15日、帯広市の北海道ホテルで開幕した。大樹町の商業宇宙港「北海道スペースポート」(HOSPO)を軸とした宇宙産業の可能性を探るもので、初日はカンファレンスが行われ、HOSPOの取り組みや国の宇宙政策、人材育成など幅広いテーマで講演やトークセッションが展開された。

国内射場の需要増、環境整備の重要性を訴える

カンファレンスの冒頭、実行委員長でHOSPOを運営するスペースコタン(大樹町)の小田切義憲社長があいさつし、高頻度でロケットを打ち上げている米国を中心に射場が不足傾向にあると指摘。日本政府が2030年代前半に年30回の打ち上げを目標に掲げていることから、国内の射場の需要は高まっていると説明した。その上で「他の射場と連携して、日本から少しでも多くのロケットを打ち上げられる環境整備が重要だ」と述べた。

HOSPOでは、人工衛星を搭載した小型ロケットを打ち上げる新射場「LC1」がほぼ完成し、14日に公開されたばかり。小田切社長は、さらに高頻度の打ち上げが可能な「LC2」の整備についても「LC1を補完する意味で必要だ」と強調し、「海外事業者も含めて、『将来使いたい』と考えてくれている方もおり、しっかり話して成長戦略を作っていく」と明かした。

若田光一氏らが講演、人材育成の指針示す

宇宙飛行士で米宇宙企業「アクシオムスペース」のアジア・太平洋地域の最高技術責任者(CTO)を務める若田光一氏は、宇宙環境を利用した開発や研究をテーマに講演。半導体製造やがん治療薬の創薬、人工臓器製造の研究が進められていると紹介し、「各分野の専門家と連携して、宇宙での新しい機会を創出していきたい」と展望を語った。

内閣府宇宙開発戦略推進事務局の松井秀仁・行政実務研修員は、宇宙産業に従事する人材育成をテーマに講演。宇宙業界への他業界からの流入などを目指し内閣府が策定した「宇宙スキル標準」を紹介し、「(同標準が)一般的になることで、人材流入の加速や高度なスキルを有する人材の育成など、(宇宙業界に関連する)人的基盤を強化することを目標としている」と話した。

官民投資の増加が課題、今後の環境作りに意欲

「宇宙輸送の新たなGatewayの始動」と題したトークセッションには、国、町、宇宙新興企業「インターステラテクノロジズ」(同町)などの担当者が登壇。官民からの投資をいかに増やすかや、ロケット量産へ構造変化させることなどが、これからの宇宙産業の課題に挙げられた。

黒川豊町長は今後に向けて「射場を有する町として、(高頻度打ち上げのため)短期間に調整が終わり、スムーズに打ち上げられる環境作りが必要だ」との考えを示した。

会場では宇宙関連の様々な企業のブースが設けられ、来場者でにぎわった。