レーザー核融合発電の実用化へ、浜松ホトニクスが実験施設を公開
レーザー核融合発電の実用化へ、浜松ホトニクスが実験施設公開

浜松ホトニクス、レーザー核融合発電の実験施設を公開

浜松ホトニクスは2025年7月5日、静岡県浜松市の本社内に建設したレーザー核融合発電の実験施設を報道陣に公開した。同社は高出力レーザー技術と燃料ターゲット技術の開発を進めており、2030年代の実証炉運転を目標に掲げている。

実験施設の概要と目的

公開された実験施設は「LFEX(レーザー核融合実験施設)」と呼ばれ、世界最高クラスの出力を誇るレーザー装置を備える。施設の建設費は約50億円で、2024年4月から稼働を開始した。実験では、直径約1ミリの燃料ターゲットにレーザーを照射し、核融合反応の効率を検証する。

浜松ホトニクスの代表取締役社長である光野正志氏は、「レーザー核融合発電は、クリーンで安全なエネルギー源として期待されている。当社は光技術のリーディングカンパニーとして、この技術の実用化に貢献したい」と述べた。

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高出力レーザー技術の進展

同社が開発する高出力レーザーは、瞬間的な出力が10ペタワット(10の15乗ワット)に達し、これは世界の全発電所の総出力を上回る。このレーザーを燃料ターゲットに照射することで、核融合反応を起こす。現在、レーザーの繰り返し周波数は1分間に1ショットだが、実用化には毎秒10ショット以上の高速化が必要とされる。

光野社長は「レーザーの繰り返し性能向上が最大の課題。2030年までに毎秒10ショットを達成し、その後実証炉につなげたい」と語った。

燃料ターゲット技術の開発

燃料ターゲットは、重水素と三重水素を凍結させた直径1ミリの球体で、内部に核融合反応を促進するための構造を持つ。浜松ホトニクスは、このターゲットを大量かつ低コストで製造する技術の確立を目指している。

同社の研究開発本部長である鈴木一郎氏は「ターゲットの量産技術は、核融合発電の実用化において重要な要素。現在は手作業で製造しているが、自動化技術の開発を進めている」と説明した。

2030年代の実証炉運転へ

浜松ホトニクスは、2030年代前半に実証炉を運転し、発電の実証を行う計画だ。実証炉では、出力10万キロワット級の発電を目指す。その後、2040年代には商業炉の運転を開始し、2050年までに国内の電力需要の一部を賄うことを目標としている。

光野社長は「核融合発電は、カーボンニュートラル社会の実現に不可欠な技術。当社は産学官連携を強化し、早期の実用化を目指す」と述べた。

今後の展望と課題

レーザー核融合発電の実用化には、技術的な課題に加え、コスト削減や安全規制の整備なども必要となる。浜松ホトニクスは、これらの課題に対して、政府や研究機関との協力を進めるとしている。

公開された実験施設では、今後5年間で約100人の研究者が従事し、技術開発を加速する予定だ。同社は、レーザー核融合発電が実用化されれば、エネルギー問題の解決に大きく貢献すると期待している。

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