米下院は、国家安全保障上の懸念から、中国のドローン大手DJI(ディージェイアイ)製を含む中国製ドローンの連邦政府機関での新規購入と使用を禁止する法案を可決した。この法案は、超党派の支持を受けて可決され、今後上院での審議に移る。
法案の概要と背景
この法案は「対抗ドローン法(Countering CCP Drones Act)」と呼ばれ、中国のドローンが米国の国家安全保障にリスクをもたらす可能性があるとして、連邦政府機関による中国製ドローンの調達と使用を禁止するものだ。特に、DJI製のドローンは米国の公共安全機関や政府機関で広く利用されており、そのデータが中国政府に送信される可能性が懸念されている。
法案を提出した下院国土安全保障委員会のマーク・グリーン委員長(共和党)は、「中国製ドローンは、我々の国家安全保障とプライバシーに深刻な脅威をもたらす。この法案は、連邦政府のシステムからこれらのデバイスを排除するための重要な第一歩だ」と述べた。
DJIの反応と業界への影響
DJIは声明で、「この法案は誤った情報に基づいており、根拠のない懸念をあおるものだ。我々の製品は厳格なデータセキュリティ基準を満たしており、ユーザーのプライバシーを保護するための措置を講じている」と反論した。
業界アナリストは、この法案が可決されれば、米国のドローン市場に大きな影響を与えると予測する。DJIは世界のドローン市場の約70%のシェアを占めており、米国政府機関も多くのDJI製品を使用している。代替品として、米国や他の同盟国のドローン製造業者が注目される可能性がある。
今後の見通し
法案は上院で審議されるが、同様の法案が既に上院で提出されており、成立の可能性は高いと見られている。仮に成立した場合、連邦政府機関は既に使用している中国製ドローンの廃棄または交換を余儀なくされる可能性がある。ただし、法案には一部の例外規定も設けられており、国家安全保障上の理由で使用が認められるケースも想定されている。



