トヨタ自動車とNTTは、自動運転技術向けのAI半導体を共同開発することで合意した。両社は、それぞれが持つ半導体設計技術と通信技術を融合し、2028年までの実用化を目指す。この協業により、車載AIの処理性能を大幅に向上させ、より安全で高度な自動運転の実現に貢献するとしている。
協業の背景と目的
自動運転技術の進化には、膨大なデータをリアルタイムで処理する高性能なAI半導体が不可欠だ。トヨタはこれまで、自動運転システム「Toyota Teammate」を開発してきたが、さらなる性能向上には専用半導体の開発が必要と判断。一方、NTTはAI半導体の設計で実績があり、両社の技術を組み合わせることで相乗効果を狙う。
具体的には、NTTが開発する「光電融合技術」を用いた省電力・高性能なAI半導体を、トヨタの自動運転システムに搭載する。これにより、従来の半導体と比べて消費電力を30%削減しつつ、処理速度を2倍以上に向上させる見込みだ。
開発スケジュールと量産計画
両社は、2025年までに試作品を完成させ、2026年から実車テストを開始する計画。2028年には量産を開始し、トヨタの高級車ブランド「レクサス」の一部モデルに搭載する予定だ。その後、2030年までにトヨタの全車種への搭載を目指す。
NTTの担当役員は「自動運転の実現には、半導体の性能向上が不可欠。トヨタとの協業で、世界最高水準の車載AI半導体を開発したい」とコメント。トヨタの担当役員も「NTTの先端技術とトヨタの車両制御技術を融合し、安全で快適な自動運転を提供したい」と述べている。
業界への影響と今後の展望
自動運転向けAI半導体は、自動車メーカーだけでなく、半導体メーカーやテクノロジー企業も参入する競争の激しい分野だ。トヨタとNTTの協業は、日本発の技術で世界市場をリードする可能性を秘めている。
また、今回の協業は、日本の半導体産業の復活にも寄与すると期待される。経済産業省も、自動運転向け半導体の開発を支援する方針を示しており、官民一体となった取り組みが進む。
トヨタとNTTは、今後も自動運転技術の研究開発を加速し、交通事故の削減や交通渋滞の緩和など、社会課題の解決に貢献していくとしている。



