台湾、AI半導体でシリコンバレーに挑戦 新興企業が台頭
台湾、AI半導体でシリコンバレーに挑戦 新興企業台頭

台湾の半導体スタートアップ企業が、人工知能(AI)向けチップの分野で急速に台頭し、長年業界を支配してきたシリコンバレーに挑戦している。世界最大の半導体受託製造企業である台湾積体電路製造(TSMC)の製造能力と、地元企業の革新的な設計力が、この動きを後押ししている。

新興企業の台頭

例えば、台湾のスタートアップ「イノチェンジ」は、AI推論に特化した低消費電力チップを開発。同社のチップは、データセンターからエッジデバイスまで幅広い用途に対応可能で、既に複数の大手クラウド企業から採用されている。イノチェンジの創業者であるチャン・ウェイミン氏は「台湾には半導体製造のエコシステムが整っており、設計から製造までのリードタイムを大幅に短縮できる」と語る。

また、別のスタートアップ「ニューラルコア」は、自動運転車向けのAIプロセッサを開発。同社のチップは、競合他社と比較して性能当たりの消費電力が30%低いとされ、自動車メーカーからの引き合いが強い。

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TSMCの役割

TSMCは、これらのスタートアップにとって重要なパートナーだ。同社は最先端の製造プロセスを提供し、小規模な企業でも高品質なチップを生産できるようにしている。TSMCのビジネス開発担当副社長は「我々は顧客の成功が自社の成功につながると考えている。スタートアップが革新的なアイデアを市場に出すのを支援することは、業界全体の成長につながる」と述べた。

台湾政府も半導体産業の育成に積極的だ。経済部は、AI半導体分野のスタートアップに対して総額1億米ドル以上の助成金を提供している。この支援により、2019年以降、台湾ではAI関連の半導体スタートアップが3倍に増加した。

シリコンバレーとの競争

シリコンバレーの企業は、これまでAIチップ市場で主導的な地位を占めてきたが、台湾の新興企業の台頭により、競争が激化している。特に、エッジコンピューティング向けの低消費電力チップでは、台湾企業が優位に立つ可能性がある。市場調査会社のデータによると、2025年までにAIチップ市場は800億米ドルに成長すると予測されており、台湾企業のシェア拡大が期待されている。

一方で、米中対立の影響で半導体サプライチェーンの分断が進む中、台湾の重要性はさらに高まっている。TSMCは最先端の3ナノメートルプロセスを量産しており、2025年には2ナノメートルプロセスの量産を開始する計画だ。これにより、台湾の半導体産業は今後も世界をリードする可能性が高い。

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