電通、データクリーンルーム分析を自然言語で支援するAIエージェント「Tobiras Agent」を開発
電通、データクリーンルーム分析を自然言語で支援するAIエージェント開発

電通と電通デジタルは2024年6月25日、データクリーンルーム(DCR)を用いたデータ分析を自然言語による対話で支援するAIエージェント「Tobiras Agent」を開発し、社内での運用を開始したと発表した。このエージェントは、これまで高度な専門性が求められてきた分析作業を、専門的なスキルや知識に依存せずに行える環境を提供する。まずは社内から運用を始め、順次社外での利用拡大を図る方針だ。

開発の背景:データクリーンルームの普及と課題

データクリーンルームは、個人情報を保護しながら広告効果の検証や高度なデータ分析が行える手段として、広告・マーケティング領域での活用が広がっている。一方で、これらの分析にはSQLなどの専門知識が必要であり、分析を担える人材も限られることから、業務の属人化や意思決定スピードの低下が課題となっていた。

この課題に対応するため、両社は2022年に複数のデータクリーンルーム環境を一元管理する分析基盤「Tobiras」を構築。年間1000件(累積数千件)を超える顧客への導入・運用・活用を通じて得られた実践知を、dentsu Japanが提供する「AI For Growth Marketing Agents」に反映させて運用してきた。今回の「Tobiras Agent」は、この取り組みを発展させたものと位置づけられる。

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「Tobiras Agent」の概要と特徴

「Tobiras Agent」では、分析の目的や条件を自然言語で入力することで、課題設定から分析クエリの生成、実行、結果の取得、内容の読み解きまでの一連のプロセスを自動的に進めることができる。具体的には、ユーザーが「先月のキャンペーンで、地域別のコンバージョン率を教えて」といった指示を自然言語で入力すると、エージェントが適切なSQLクエリを生成し、データクリーンルーム上で実行。結果を解釈してユーザーにわかりやすく提示する。

従来は専門人材や運用負荷の制約により難しかった高度な分析を迅速に実行できるようになり、広告運用中のきめ細やかな改善や、戦略立案と実行の同時推進が可能になる。これにより、広告主企業においては、意思決定のスピード向上と施策精度の高度化が実現し、マーケティングROIの最大化が期待できるとしている。

プラットフォーム対応と今後の展開

同エージェントは、プラットフォーム企業が提供するさまざまなデータクリーンルームを一元的に運用できる仕組みを採用。第一弾として、広告・マーケティング領域で活用が進むAmazon Marketing Cloud(AMC)に対応した分析エージェントを実装した。これにより、AMC上での広告効果測定やオーディエンス分析などを、SQLの知識がなくても実施できるようになる。

「Tobiras Agent」は、dentsu Japanが推進する「AI For Growth 3.0」における「Measurement AI」領域の取り組みの一環として提供される。今後は「AI For Growth Marketing Suite」の「Media Flow」との連携も進め、さらに多様なデータクリーンルームやマーケティングツールとの統合を図ることで、分析業務の効率化と高度化を支援していく方針だ。

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