東洋経済の最新記事:日本の半導体産業復活への道筋
半導体産業復活への道筋 (07.07.2026)

半導体産業復活の兆し

日本の半導体産業が長い低迷から脱却し、復活の兆しを見せている。政府の積極的な支援策と企業間の連携強化により、最先端半導体の国産化を目指す動きが加速している。経済産業省は2023年度から5年間で約1兆円の半導体関連予算を計上し、国内の半導体工場建設や研究開発を支援している。

ラピダスプロジェクトの進展

特に注目されるのが、トヨタ自動車やソニーグループなど8社が出資するラピダスだ。同社は北海道千歳市に最先端半導体工場を建設中で、2025年の試作ライン稼働を目指している。ラピダスの小池淳義社長は「日本の半導体技術を世界最高水準に引き上げる」と意気込みを語る。総投資額は約5兆円に上り、政府は最大1,400億円の補助金を決定した。

TSMCの熊本進出と波及効果

台湾の半導体大手TSMCも熊本県に工場を建設中で、2024年末の稼働を予定している。この工場では車載用や民生用の半導体を生産し、年間12万枚のウエハー処理能力を見込む。熊本県によると、TSMCの進出により関連企業の進出が相次ぎ、県内の雇用創出効果は約1万5,000人に達する見通しだ。

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背景にある半導体不足の教訓

こうした動きの背景には、2020年以降の世界的な半導体不足がある。自動車や家電など幅広い産業が生産調整を余儀なくされ、供給網の脆弱性が露呈した。日本は1990年代には世界シェア約50%を占めていた半導体産業が、現在は約10%まで低下。政府は経済安全保障の観点からも、半導体の国内生産体制強化を急いでいる。

課題と今後の展望

しかし、課題も多い。最先端半導体の開発には巨額の投資と高度な人材が必要で、日本は人材不足が深刻だ。また、ラピダスやTSMCの工場が本格稼働しても、世界市場での競争は激しい。専門家は「日本が再び半導体大国になるには、産学官の連携と長期的な視野が不可欠」と指摘する。

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