日産自動車とホンダは、電気自動車(EV)向けの主要部品の共同調達で基本合意した。両社の年間調達額は合計で2兆円を超え、共同調達により部品コストを最大30%削減する見通しだ。これにより、EVの価格競争力を高め、急速に拡大するEV市場でのシェア獲得を目指す。
背景:EV市場の急拡大と競争激化
世界のEV市場は、中国や欧州を中心に急速に拡大している。2023年の世界新車販売に占めるEVの割合は約18%に達し、2030年には50%を超えるとの予測もある。こうした中、トヨタ自動車やフォルクスワーゲン、テスラなど競合他社は独自のEV戦略を推進しており、日産とホンダは共同調達によるコスト競争力の強化が急務となっていた。
両社は2024年3月にEV分野での戦略的提携を発表しており、今回の共同調達はその一環。日産の内田誠社長は「協業により、EVの普及に向けたコスト削減と開発効率の向上を図る」とコメントしている。
共同調達の対象と規模
共同調達の対象は、モーターやインバーター、バッテリーセルなどEVのコア部品が中心。両社の年間調達額は合計で約2.3兆円に上り、共同調達により部品コストを25〜30%削減できる見込み。これは、年間で約6,000億円のコスト削減効果に相当する。
特にバッテリーはEVの車両価格の約3割を占めるため、調達コストの削減が価格競争力に直結する。日産とホンダは、バッテリーの共同調達だけでなく、次世代バッテリーの共同開発も検討している。
業界への影響と今後の課題
今回の提携は、日本の自動車業界におけるEVシフトを加速させる可能性がある。これまで日産はリーフで先行していたが、ホンダはEV投入が遅れていた。両社の協業により、開発リソースの効率化や生産規模の拡大が期待される。
一方で、共同調達はサプライヤーへの影響も大きい。部品メーカーは価格競争の激化や受注量の変動に直面する可能性がある。また、両社の企業文化の違いや、共同開発の進め方など、調整課題も残る。
アナリストからは「日産とホンダの協業は、規模の経済を追求し、テスラや中国勢に対抗する上で有効な戦略だ」との声がある。今後の具体的な成果が注目される。



