EVシフト加速も日本は半導体供給網の再構築が急務に
EVシフト加速も日本は半導体供給網再構築が急務

電気自動車(EV)の世界的な普及加速に伴い、半導体の需要が急拡大している。しかし、日本は半導体の供給網(サプライチェーン)において脆弱性が露呈しており、経済産業省は国内生産体制の強化を急ピッチで進めている。本稿では、日本の半導体産業が直面する課題と、今後の戦略について詳報する。

EV普及で半導体需要が急増、日本は供給網の脆弱性露呈

国際エネルギー機関(IEA)の報告によれば、EV1台に搭載される半導体の数は従来のガソリン車の約2倍に達する。このため、世界全体の半導体需要は2030年までに現在の約1.5倍に拡大すると予測されている。しかし、日本国内の半導体生産能力は1990年代以降、減少の一途をたどっており、現在は世界シェアの約10%にまで低下している。経産省の担当者は「日本の半導体産業は、かつて世界をリードしていたが、現在は供給網の脆弱性が顕在化している」と指摘する。

経産省が国内生産強化に乗り出すも、課題は山積

こうした状況を受け、経産省は2022年に「半導体・デジタル産業戦略」を策定し、官民連携で国内生産拠点の整備を推進している。具体的には、台湾のTSMCと連携した熊本県での工場建設や、国内半導体メーカーのラピダスによる北海道千歳市での先端半導体工場計画などが進行中だ。しかし、経産省幹部は「国内生産を強化するには、巨額の投資に加え、高度な技術を持つ人材の育成が不可欠だ」と述べ、課題の大きさを認める。

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人材不足と国際競争激化が日本の半導体復活を阻む

日本の半導体産業が復活するためには、人材不足の解消が急務である。半導体業界団体の調査によると、今後10年間で日本国内の半導体関連人材は約4万人不足すると試算されている。また、米国や欧州、中国などが巨額の補助金を投じて半導体産業の誘致を進めており、国際的な競争は激化の一途をたどっている。東京エレクトロンのアナリストは「日本が再び半導体大国としての地位を取り戻すには、官民一体となった長期的な戦略と、持続可能な投資が必要だ」と語る。

自動車業界への影響と今後の展望

半導体不足は、自動車業界にも深刻な影響を及ぼしている。トヨタ自動車は2023年度、半導体不足により複数の工場で生産調整を余儀なくされた。同社の広報担当者は「安定した半導体調達は、EVシフトを進める上で最重要課題の一つだ」と述べる。今後、日本が半導体の国内生産を強化できなければ、自動車産業の競争力低下は避けられない。経産省は、2030年までに国内半導体生産額を現在の3倍に引き上げる目標を掲げているが、その実現には多くのハードルが待ち構えている。

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