日本の半導体製造装置メーカーの2024年売上高が過去最高を更新する見通しとなった。AI向け半導体需要の急拡大や先端パッケージングへの投資が牽引役となり、業界団体の予測では前年比15%増の4兆円を超える見込みだ。
AI需要が半導体製造装置市場をけん引
半導体製造装置の需要拡大は、主にAI関連の半導体向けが牽引している。特に、データセンター向けのGPUやAIアクセラレータの生産増加に伴い、先端ロジック半導体やメモリの製造装置の受注が伸びている。東京エレクトロンやディスコ、SCREENホールディングスなどの大手メーカーは、2024年度の業績予想を上方修正する動きを見せている。
先端パッケージング投資が新たな成長エンジンに
また、先端パッケージング技術への投資も市場拡大に寄与している。半導体の微細化が物理的限界に近づく中、チップレット技術や3D積層などのパッケージング技術が注目されており、関連装置の需要が急増している。これにより、従来の前工程装置だけでなく、後工程装置メーカーも恩恵を受けている。
業界団体の「日本半導体製造装置協会(SEAJ)」は、2024年度の日本の半導体製造装置の売上高(会員企業ベース)が、前年度比15%増の4兆2000億円程度になるとの見通しを発表した。これは2022年に記録した過去最高の4兆円を上回る水準となる。
世界的な半導体市場の回復も追い風
世界的な半導体市場の回復も追い風となっている。2023年は半導体不況により市場が縮小したが、2024年はAI向け需要に加え、スマートフォンやPC向けの在庫調整が進み、需要が回復している。また、中国市場向けの成熟プロセス向け装置の需要も引き続き堅調で、日本の装置メーカーの受注を下支えしている。
一方で、米中対立による輸出規制の強化や、地政学リスクの高まりは懸念材料だ。特に、先端半導体製造装置の対中国輸出規制が強化された場合、影響は避けられない。しかし、各社は生産拠点の分散や技術開発の加速でリスク回避を図っている。
2025年以降も成長持続の見通し
SEAJは2025年度以降も、AI関連投資の拡大や半導体の微細化・高集積化の進展により、日本の半導体製造装置市場は成長を続けると予測している。2025年度の売上高は4兆5000億円、2026年度には5兆円に達する可能性もあるという。
日本の半導体製造装置メーカーは、世界市場で約3割のシェアを占めており、技術力の高さで競争力を維持している。今後もAIやデータセンター向け需要の拡大を捉え、さらなる成長が期待される。



