生成AIが変える半導体業界、エヌビディアの独走は続くか
生成AIが変える半導体業界、エヌビディアの独走は続くか

生成AI(人工知能)の急速な普及が半導体業界に大きな変革をもたらしている。特に、画像処理半導体(GPU)市場で圧倒的なシェアを誇るエヌビディアは、生成AI向けの需要を取り込み、業績を急拡大させている。しかし、競合企業も独自のAI向け半導体を開発し、市場シェアの奪還を狙う。業界全体の構造が変わる中、エヌビディアの独走は続くのか。

生成AIが牽引する半導体需要の急増

生成AIの学習や推論には膨大な計算リソースが必要であり、その中核を担うのがGPUである。エヌビディアのデータセンター向けGPU「H100」は、生成AIの学習に最適化されており、需要が急増。同社のデータセンター部門の売上高は、2024年度第1四半期(2023年2~4月)に前年同期比14%増の42億8400万ドルを記録した。また、2024年度第2四半期(5~7月)には同171%増の103億2300万ドルと大幅に伸びている。

競合各社の追随と技術開発競争

エヌビディアの独走を許さないと、競合企業もAI向け半導体の開発を加速している。AMDは、2023年12月にAIアクセラレーター「MI300X」を発表。2024年には量産を開始し、エヌビディアのH100に対抗する。また、インテルも2024年にAI向けプロセッサ「Gaudi 3」を投入する計画だ。さらに、クラウド大手のグーグルやアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)も自社開発のAI半導体を投入し、エヌビディアへの依存度を下げようとしている。

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しかし、エヌビディアはソフトウェアエコシステム「CUDA」で強固な優位性を持つ。多くのAI開発者がCUDAに慣れており、競合がハードウェアで性能を向上させても、ソフトウェアの移行コストが障壁となる。このため、短期的にはエヌビディアの優位が続くとの見方が強い。

半導体業界の構造変化と今後の展望

生成AIの普及は、半導体業界のバリューチェーンにも変化をもたらしている。従来は、設計から製造まで垂直統合型の半導体メーカーが主流だったが、AI向け半導体では、設計と製造が分離するファブレス型が増えている。エヌビディアもファブレスであり、製造は台湾積体電路製造(TSMC)に委託している。この流れは今後も加速し、半導体の受託製造市場が拡大すると予想される。

また、半導体の需要増加に伴い、製造能力の拡大が急務となっている。TSMCは2023年に米国アリゾナ州に工場を建設中であり、日本でも熊本県に工場を新設するなど、グローバルな生産体制を強化している。

一方で、地政学的リスクも無視できない。米中対立の激化により、半導体の輸出規制が強化されており、エヌビディアの中国向け高性能半導体の輸出が制限されている。同社は中国向けに性能を抑えた「H800」を開発したが、さらなる規制強化の可能性もある。

業界アナリストは「生成AIの市場規模は2030年までに年間約1兆ドルに達する可能性がある」と予測する。半導体需要は今後も拡大が見込まれ、エヌビディアがその波に乗り続けられるか、競合が追い上げるか、注目が集まる。

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