EVシフト加速で部品大手が半導体内製化に乗り出す背景
EVシフトで部品大手が半導体内製化に動く背景

自動車部品大手のデンソーが、電気自動車(EV)シフトを見据え、半導体の内製化を加速している。同社はこれまで、外部調達に依存してきたパワー半導体の自社開発に乗り出し、2025年までに量産を開始する計画だ。背景には、EVの普及に伴う半導体需要の急増と、世界的な供給不足の長期化がある。

EVシフトが半導体需要を押し上げ

EVには従来のガソリン車に比べて約2倍の半導体が使用されるとされ、特に電力制御に使われるパワー半導体の需要が高まっている。デンソーは、この需要を取り込むため、自社で半導体を設計・製造する体制を整えつつある。同社は既に、シリコンカーバイド(SiC)を用いた次世代パワー半導体の開発を進めており、これによりEVの航続距離延長や充電時間短縮を実現する方針だ。

供給不安が内製化を後押し

2020年以降、世界的な半導体不足が自動車業界を直撃し、多くのメーカーが生産調整を余儀なくされた。デンソーも例外ではなく、外部調達に頼るリスクを痛感したという。同社の関係者は「半導体の安定調達は経営の根幹に関わる。内製化により、サプライチェーンのリスクを低減し、競争力を高めたい」と述べている。

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業界全体で広がる内製化の動き

デンソーの動きは自動車部品業界全体のトレンドを反映している。競合のコンチネンタルやボッシュも半導体内製化に積極的で、特にパワー半導体の自社開発に注力している。また、トヨタ自動車もグループ企業と連携し、半導体の安定調達に向けた取り組みを強化している。これらの動きは、EVシフトが加速する中で、自動車産業のサプライチェーンが大きく変革していることを示している。

技術開発と投資の課題

半導体内製化には巨額の投資と高度な技術が必要だ。デンソーは、2025年までにSiCパワー半導体の量産を目指すが、歩留まり向上やコスト低減が課題となる。同社は、長年の自動車部品製造で培った品質管理技術を活かし、これらの課題を克服する方針だ。また、政府も半導体産業の強化を支援しており、国内での半導体生産基盤の整備が進められている。

デンソーの半導体内製化戦略は、EVシフト時代における自動車部品メーカーの生き残りをかけた重要な一手と言える。今後の展開が注目される。

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