ダイキン、CO2冷媒ヒートポンプで業界標準狙う 欧州市場で攻勢
ダイキン、CO2冷媒ヒートポンプで業界標準狙う

ダイキン工業は、二酸化炭素(CO2)を冷媒として使用するヒートポンプ給湯機で、欧州市場における業界標準の確立を狙っている。エネルギー価格の高騰と脱炭素化の流れを受け、同社は欧州での需要拡大を見込み、攻勢を強めている。

CO2冷媒の優位性と市場背景

従来のヒートポンプ給湯機はフロン系冷媒が主流だったが、地球温暖化係数(GWP)が高いことが課題となっている。一方、CO2冷媒はGWPが1と極めて低く、環境負荷が小さい。また、寒冷地でも高い効率を発揮する特性があり、欧州の気候に適している。欧州連合(EU)は2030年までに温室効果ガス排出量を1990年比で55%削減する目標を掲げており、ヒートポンプの普及が鍵を握る。

ダイキンは2022年、欧州でCO2冷媒ヒートポンプ給湯機の量産を開始。同社は「欧州のエネルギー危機と気候変動対策が追い風になっている」と説明する。2023年度の欧州でのヒートポンプ関連売上高は前年比40%増の約2000億円に達し、うちCO2冷媒製品の比率は約3割まで上昇した。

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業界標準を目指す戦略

ダイキンはCO2冷媒ヒートポンプの技術を業界標準とするため、積極的に特許を開放し、他社との協業を進めている。同社は「市場全体を拡大するためには、競合他社にもCO2冷媒技術を使ってもらう必要がある」と述べている。具体的には、欧州の主要な空調・給湯機器メーカーと技術ライセンス契約を結び、CO2冷媒ヒートポンプの普及を促進している。

また、ダイキンは2025年までに欧州でCO2冷媒ヒートポンプ給湯機を累計100万台販売する目標を掲げる。これを達成するため、生産能力の増強にも着手。2024年中に欧州の工場に新たな生産ラインを導入し、年産能力を現在の2倍の50万台に引き上げる計画だ。

競合との違いと課題

欧州のヒートポンプ市場では、日本のダイキンに加え、独ボッシュやスウェーデンのノルデックスなどが競争を繰り広げている。ダイキンの強みは、CO2冷媒技術で先行している点だ。しかし、CO2冷媒ヒートポンプは従来の製品に比べてコストが高く、普及には価格低減が課題となる。ダイキンは量産効果によるコストダウンを進めるとともに、各国の補助金制度を活用した販売戦略を展開している。

欧州委員会は2023年、ヒートポンプの導入を加速するための行動計画を発表。2030年までに欧州全体でヒートポンプの設置台数を現在の約3倍の5000万台に増やす目標を掲げている。ダイキンはこの市場拡大を取り込み、CO2冷媒ヒートポンプで業界標準を確立したい考えだ。

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