中国の自動車部品メーカーが電気自動車(EV)シフトを追い風に、日本市場で存在感を高めている。従来は内燃機関向け部品が中心だったが、EV向けバッテリーやモーター、電子制御ユニットなどで技術力を磨き、低コストを武器に日本メーカーとの取引を拡大している。
中国部品大手の日本進出加速
例えば、中国最大手の自動車部品メーカーである華域汽車(HUAYU Automotive Systems)は、日本に研究開発拠点を設置し、日産自動車やホンダとの協業を強化している。同社はEV向けの軽量ボディ部品や熱管理システムで競争力を持ち、2023年度の日本向け売上高は前年比30%増の500億円に達したという。
また、寧徳時代新能源科技(CATL)は、日本市場でEVバッテリーの供給を拡大。トヨタ自動車や日産に加え、三菱自動車とも供給契約を結び、2025年までに日本向けバッテリー生産能力を現在の2倍に引き上げる計画だ。同社の日本法人責任者は「日本の自動車メーカーの厳しい品質要求に応え、コスト競争力も提供できる」と語る。
低コストと技術力で日本メーカーと協業
中国部品メーカーの強みは、低コスト生産とEV関連技術の急速なキャッチアップにある。例えば、広東鴻図科技(Hongtu Technology)は、EV用の高電圧コネクターで日本市場に参入。従来の日本製に比べ20~30%安い価格を実現し、2024年には国内自動車メーカー3社と新規契約を結んだ。同社の担当者は「品質面でも日本メーカーの要求を満たせるよう、現地エンジニアを増員している」と説明する。
一方、日本メーカー側もコスト削減と技術調達の観点から、中国部品の採用を積極化している。ある日系部品メーカーの幹部は「中国部品の品質は以前より格段に向上しており、EV部品では日本にない技術もある。協業は不可避だ」と認める。
日本市場での課題と今後の展望
しかし、中国部品メーカーの日本市場進出には課題もある。知的財産権の保護や、日本独自の商慣行への適応、アフターサービス体制の整備などが挙げられる。また、地政学的リスクやサプライチェーンの多様化を求める声もあり、日本メーカーは中国への依存度を慎重に見極める必要がある。
専門家は「中国部品メーカーの技術力は今後さらに向上し、日本市場でのシェア拡大が続く」と予測する。一方で、日本政府や業界団体は、重要部品のサプライチェーン強靭化に向け、国内生産や他国からの調達も促進する方針だ。



