EVシフト加速、中国製バッテリーが世界市場を席巻
EVシフト加速、中国製バッテリーが世界市場を席巻

中国勢が世界のEVバッテリー市場で圧倒的シェア

世界的な電気自動車(EV)シフトの加速に伴い、車載用バッテリー市場で中国企業の存在感が急速に高まっている。調査会社SNEリサーチのデータによると、2023年の世界のEV用バッテリー総使用量は約705GWhに達し、前年比で約4割増加。そのうち中国の寧徳時代新能源科技(CATL)が単独で約37%のシェアを占め、首位を堅持した。2位の比亜迪(BYD)も約16%で続き、中国勢だけで世界シェアの6割超を握る。

日本勢の苦戦と韓国勢の追い上げ

一方、かつてバッテリー市場をリードした日本勢は、パナソニックが約7%で4位に甘んじ、全体の存在感は低下傾向にある。韓国勢ではLGエナジーソリューションが約14%で3位、SKオンが約5%で5位、サムスンSDIが約5%で6位と、トップ10に3社がランクインするものの、中国勢の牙城を崩せていない。

中国勢の強みは技術と生産能力

中国勢が強い理由として、SNEリサーチのアナリストは「リン酸鉄リチウム(LFP)電池の量産技術で先行し、コスト競争力で他国を圧倒している」と指摘。また、中国政府の補助金政策や、CATLやBYDが自社で鉱山権益を確保するなどサプライチェーンを垂直統合している点も強みだ。さらに、EV需要の拡大に合わせて年々生産能力を増強しており、2025年には世界の生産能力の7割以上を中国が占めるとの予測もある。

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脱中国依存の動きも

しかし、地政学的リスクを懸念し、米国や欧州では中国依存からの脱却を図る動きが活発化。米国ではインフレ抑制法(IRA)により、中国製部品を使ったEVは税優遇の対象外となる。欧州でも欧州連合(EU)が中国製EVに対する追加関税を検討するなど、中国勢の市場拡大にブレーキをかけようとしている。

今後の展望

こうした逆風にもかかわらず、中国勢の技術力と規模の優位性は当面揺るがないとみられる。CATLは独BMWやメルセデス・ベンツなど欧州大手自動車メーカーとも供給契約を結んでおり、中国国外でも存在感を強めている。一方、日本勢はパナソニックが北米でテスラ向けに生産を拡大するなど、特定顧客に依存した戦略から脱却できるかが課題となる。

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