EVシフト加速で中国部品メーカーが日本勢を猛追、車載半導体で存在感
EVシフト加速で中国部品メーカーが日本勢を猛追

電気自動車(EV)への移行が加速する中、中国の自動車部品メーカーが急速に存在感を高めている。車載半導体やセンサーなどの分野で、長年優位に立ってきた日本企業を猛追しており、世界の自動車サプライチェーンに地殻変動が起きている。

中国政府のEV推進政策が後押し

中国政府は「第14次五カ年計画」などでEVと関連部品の国産化を強力に推進。補助金や税制優遇により、国内のEV生産は2023年に約950万台と前年比35%増加した。これに伴い、中国部品メーカーは地場EVメーカーとの連携を深め、急速に技術と生産能力を向上させている。

例えば、車載半導体大手の「北京君正集成電路」は、パワー半導体やMCUで日本勢に迫る性能を実現。2023年の売上高は前年比40%増の約800億円に達した。同社は「EV向け半導体の需要は今後も年率20%以上で伸びる」と予測し、生産能力を倍増する計画だ。

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日本企業の強みと弱み

一方、日本勢はルネサスエレクトロニクスやロームなどが車載半導体で高いシェアを誇る。特に、安全性や信頼性が求められるパワーデバイスやアナログ半導体では、依然として技術面で優位だ。しかし、価格競争力と量産対応力では中国勢に押され気味だ。

ある日本の自動車部品メーカーの幹部は「中国メーカーは政府の支援もあり、設備投資や人材確保で積極的。我々は技術で差別化するしかない」と語る。実際、ルネサスは2023年にEV向け次世代半導体の開発を加速するため、研究開発費を前年比15%増の約1200億円に引き上げた。

センサー・バッテリー分野でも中国勢が躍進

車載センサー分野では、中国の「禾賽科技(Hesai Technology)」がLiDAR(光検出と測距)で世界シェア約40%を獲得。2023年の出荷台数は約30万台と、前年の2倍に急増した。同社は「日本や欧州の自動車メーカーにも供給を拡大している」とコメントしている。

バッテリー分野では、中国の寧徳時代新能源科技(CATL)が世界シェア約35%で首位。2023年の売上高は約6兆円と、日本のパナソニック(約1兆円)を大きく引き離す。CATLは「2025年までに半固体電池を量産し、航続距離を20%延ばす」と発表。日本勢は技術開発で追随するが、量産コストでは差をつけられている。

日本勢の生き残り戦略

こうした状況を受け、日本企業は協業やM&Aを加速。デンソーは2023年、中国の半導体スタートアップに出資し、車載AIチップの共同開発を開始。また、日立Astemoは中国のEVメーカー向けにモーターやインバーターの生産能力を2025年までに倍増する計画だ。

しかし、中国市場では現地メーカーとの競争が激化し、日本部品メーカーのシェアは低下傾向にある。2023年の中国自動車部品輸入額に占める日本製品の割合は約15%と、5年前の20%から減少した。

専門家は「日本勢は技術力に加え、コスト競争力とスピードを強化しなければ、EVシフトで取り残されるリスクがある」と指摘する。

今後の展望

EV市場は2030年までに世界で年間約4000万台に拡大すると予想される。この成長を取り込むため、中国部品メーカーはさらなる技術革新と海外展開を推進。一方、日本勢は高付加価値製品と現地生産の強化で対抗する構えだ。

競争の行方は、車載半導体やバッテリーの次世代技術の開発動向にかかっている。両陣営の攻防は、自動車産業の未来を左右する重要な局面を迎えている。

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