2026年6月22日(現地時間)に発表された世界のスーパーコンピュータ性能ランキング「TOP500」の最新版で、中国の「LineShine」が首位を獲得した。中国製スパコンがトップに立つのは、2017年11月以来約8年半ぶりとなる。一方、日本の「富岳」は前回の7位から9位に順位を下げた。
CPUのみで2エクサフロップス超え、世界初の快挙
LineShineは、中国科学院傘下のNational Supercomputer Centerが運用するスーパーコンピュータで、304コアの自国設計プロセッサ「LX2」チップを搭載。総コア数は1378万9440に上り、2.198エクサフロップス(毎秒約219京8000兆回の浮動小数点演算)の性能を達成した。TOP500の仕様書によれば、GPUを一切使用せずCPUのみで構成されており、2エクサフロップスを超える例はTOP500で初めて。また、シミュレーション計算を想定したベンチマーク「HPCG」でも首位を獲得した。
中国製スパコン、8年半ぶりの首位
中国製スパコンがTOP500で首位となるのは、2017年11月に1位を獲得した「Sunway TaihuLight」以来。しかし、中国は経済制裁などの影響でフラグシップ機の登録を控えており、ロイター通信などによれば、2023年以降はTOP500への登録そのものを停止していた。今回のLineShineの登場は、こうした状況を打破する形となった。
TOP500上位の顔ぶれと日本の現状
2位は米国の「El Capitan」、3位は同じく米国の「Frontier」、4位は「Aurora」、5位はドイツの「JUPITER Booster」がランクインした。日本の「富岳」は前回7位から9位に後退。理化学研究所が運用する富岳は、2020年から2021年にかけて2期連続で世界一を獲得したが、その後は順位を下げている。
関連する動向
一方、量子コンピュータの分野でも中国の進展が目立つ。中国科学技術大学を中心とする研究チームは、これまでで最大規模となるフォトニック量子コンピュータ「九章4.0」(Jiuzhang4.0)を開発し、従来のスーパーコンピュータでは事実上不可能な計算を瞬時に実行できることを実証した研究報告を発表している。
また、米NVIDIAは2025年10月、米Oracleと協力し、米国エネルギー省向けのAIスーパーコンピュータを構築すると発表。AIチップの受注総額は5000億ドル(約76兆円)規模に上るとしている。



