世界最大の電気自動車(EV)用バッテリーメーカーである中国の寧徳時代新能源科技(CATL)が、EV販売の減速を受けて生産調整に乗り出した。同社は需要減少に対応するため、一部の生産ラインの稼働を停止する方針を明らかにした。
販売不振がバッテリー需要に影響
CATLの広報担当者は「市場の需要変動に応じて生産計画を柔軟に調整している」と述べ、今回の措置が一時的なものであることを強調した。具体的な生産削減規模や対象となる工場については明らかにされていないが、業界関係者によると、同社の主要工場である福建省寧徳市の施設で一部ラインが停止されているという。
EV市場の減速は世界的な傾向であり、特に中国市場では政府の補助金縮小や経済成長の鈍化により、2023年のEV販売台数は前年比で約10%増にとどまった。2022年の80%超の成長率から大きく減速している。
CATLの市場支配力に陰り
CATLは世界のEV用バッテリー市場で約37%のシェアを占めるが、需要減退により在庫が積み上がっている。業界アナリストの張氏は「CATLの生産調整は、EV市場の成長鈍化がサプライチェーン全体に波及している証拠だ」と指摘する。
同社は2023年第3四半期の純利益が前年同期比で約4%増加したものの、売上高成長率は鈍化している。リチウム価格の下落も収益に影響を与えており、バッテリーセルの価格は2022年のピークから約50%下落した。
業界全体に波及効果
CATLの生産調整は、バッテリー材料メーカーや鉱山会社にも影響を及ぼす可能性がある。リチウムやコバルトなどの原材料需要が減少すれば、価格のさらなる下落を招く恐れがある。
一方で、一部のアナリストは、この調整が中長期的には業界の健全化につながるとの見方を示す。過剰生産能力が是正され、競争力の高い企業が生き残ると期待されている。



