ワークマンの2026年秋冬新商品発表会で、ひときわ目を引くコーナーを発見した。今年の一番の目玉シリーズとして展示されていたのが、同社が独自開発した断熱素材「XShelter」シリーズだ。同社専務取締役の土屋哲雄氏によると、「XShelter」シリーズはリカバリーウェア事業よりも成長を見込んでおり、現在、同社が特に力を入れている戦略素材なのだという。
新登場「XShelter快適断熱Σ」は寒暖差に着目
これまでに「XShelter断熱α(アルファ)」と「XShelter断熱β(ベータ)」の商品を販売してきたが、今年は新たに「XShelter快適断熱Σ(シグマ)」と「XShelter断熱Ω(オメガ)」が登場。全部で4シリーズが存在することになる。
今回特に気になったのが、新登場の「XShelter快適断熱Σ」だ。外気温5~30℃を想定し、断熱性だけでなく、光や湿気などにも対応する25の機能を搭載しているという。
従来の「XShelter断熱α」と「XShelter断熱β」は、主に「夏は涼しく、冬は暖かい」環境を作るための断熱性に着目したシリーズ。一方、新たに登場したΣは、それだけではない。冬に外を歩いているときは寒いのに、暖房の効いた電車に乗った途端、汗がにじんでくる……かといって、満員電車では上着を脱ぐのもひと苦労。そんな経験はないだろうか。「XShelter快適断熱Σ」は、そんな1日の中で生じる「寒暖差」に着目した商品なのだ。防寒性だけを追求するのではなく、暖かい場所に移動したときの暑さや蒸れにも配慮し、1着で幅広い温度環境に対応することを目指したという。
発表会で見た断熱・蒸れにくさの実験
そんなΣの機能を紹介するため、発表会ではちょっと変わった実験も行われていた。熱したホットプレートの上に、従来の布と「XShelter快適断熱Σ」の布を置き、それぞれの上に氷を乗せるというものだ。同じように熱を受ける環境で、氷の溶け方にどのような違いが出るのかを比較する実験らしい。30秒程度待ってみると、素材による違いが視覚的にも伝わってくる。
さらに、もう一つ気になったのが「蒸れにくさ」に関する実験だ。こちらでは、従来品の白い布と「XShelter快適断熱Σ」の黒い布を使い、水蒸気の通りやすさを比較していた。従来品の白い布は水蒸気を通しにくいのに対し、Σの黒い布は水蒸気を通しやすいという。寒さを防ぐだけでなく、暖房の効いた場所で感じる蒸れにも配慮しているというわけだ。
ちなみに、Σの商品ラインアップもなかなか幅広い。テーマパークなどで活躍しそうな「ポンチョ」(2,500円)や、フォーマルな場面でも使えそうな「テック2Bジャケット」(3,990円)、「テック長袖シャツ」(2,990円)などが展開されている。
全4シリーズを比較、自分に合う「XShelter」は?
担当者に聞いた特徴を整理すると、以下のようになる。
- XShelter断熱α: 軽量性・断熱性。通勤、普段の歩行などにおすすめ。
- XShelter断熱β: ストレッチ性・断熱性。動きやすさを重視する日、日常着におすすめ。
- XShelter快適断熱Σ: 寒暖差や蒸れへの配慮。電車通勤、季節の変わり目におすすめ。
- XShelter断熱Ω: 厳しい寒さに対応する断熱性能。寒冷地への旅行、屋外作業などにおすすめ。
「XShelter断熱α」は、XShelterの出発点となったシリーズ。空気層を持つシート状の断熱材を使い、厚手の中綿を大量に入れなくても断熱性を確保しているため、一般的なダウンジャケットと比べたときの軽さが大きな特徴だそうだ。一方、ストレッチ性は低いため、激しく体を動かす場面よりも、通常の歩行など、動きがそれほど大きくない場面におすすめだという。ラインアップには、「ステンカラーコート」(4,900円)や「防水ウォームアウター」(4,900円)などが用意されている。
「XShelter断熱β」は、先ほどのαと同じく高い断熱性を持ちながら、αの「伸びにくい」という弱点を改善した、ストレッチ性が特徴の素材だ。作業をする場合や、動きやすさを重視する人におすすめだという。しかも、βはアウターだけではない。チェック柄の「長袖シャツ」(2,990円)や、スウェット生地の「スウェットジップパーカー」(3,900円)など、普段の私服にも取り入れやすいアイテムがそろっている。
そして最後は「XShelter断熱Ω(オメガ)」。実際にXShelterの中でも最上位クラスの高い断熱性能を狙ったシリーズだという。強い寒さや風など、過酷な環境で使うことを前提としているため、どちらかといえば屋外作業をする人や、非常に寒い地域への旅行・出張を予定している人向けとのこと。実際の店頭では「この環境下ではこの製品がおすすめ」といった、気温ごとの展示も行われるという。
軽さを重視するなら「α」、動きやすさなら「β」、日常の寒暖差が気になるなら「Σ」、厳しい寒さに備えたいなら「Ω」。アルファベットならぬギリシャ文字が並んで最初は戸惑ったが、こうして特徴を整理してみると、意外と分かりやすい。日によって気温が大きく変わる季節の変わり目。毎朝「今日、何を着ればいいんだ……?」と悩む人は、自分の生活スタイルに合う「XShelter」を探してみてはいかがだろうか。