普段のウォーキングを筋トレに「グレードアップ」する方法を解説します。多くの人は「なんとなく歩いて、疲れたら終わり」という歩き方をしていませんか?こうした歩き方では、老化や転倒への対策としては不十分です。しかし、大切なポイントを意識しながら歩くことを習慣にできれば、歩行は十分に老化や転倒を防ぐ力になります。
「1日1万歩健康説」には明確な根拠はない
歩くとなると、多くの方が気にするのが「1日何歩歩いたか」ではないでしょうか。よく聞くのは「健康のためには1日1万歩」という目安ですが、実はこの数字に確かな医学的根拠があるわけではありません。もともとはアメリカの研究で「1週間で約6万9000歩を歩くことが健康増進に役立つ」という結果が出たことから、キリのよい数字として「1日1万歩」が広まったと言われています。しかし、1日1万歩を歩くにはおおよそ2時間程度かかります。高齢の方が毎日これを続けるのは体力的にも現実的とは言えず、現実的に困難な"1日1万歩"にしばられる必要はありません。
重視すべきは「メッツ」を上げる歩き方
重視すべきは、「メッツ(METs)」を上げる「歩き方」です。メッツとは「どれくらい体を使っているか(運動強度)」の目安となる指標です。以下の表は、歩くレベルをメッツで分類したものです。(出所:『歩幅を見れば、寿命がわかる 「死ぬまで歩ける体」のつくり方』より)このメッツを上げることが生存率に大きく影響を与えることがわかってきました。6213名の男性を対象とした大規模研究によると、「日常生活でラクにできる運動強度が5メッツ以下の人は、運動強度を1メッツ上げると生存率が12%上がる」という報告があります。
いまより速く歩けるようになるだけで効果アップ
歩く速度を上げるだけで、メッツを高めることができます。例えば、ゆっくり歩き(3.2km/h)が3メッツに対し、普通歩き(4.8km/h)は4.3メッツ、速歩き(6.4km/h)は5メッツ以上になります。いまより少し速く歩くことを意識するだけで、運動強度が上がり、筋トレ効果も期待できます。
ウォーキングを筋トレに格上げする4つのポイント
普段のウォーキングを筋トレに変えるためには、以下の4つのポイントを意識しましょう。
- 姿勢を正す:背筋を伸ばし、顎を引き、視線は前方15~20メートル先に向けます。猫背にならないように注意しましょう。
- 歩幅を広げる:通常より少し大きめの歩幅で歩くことで、太ももやお尻の筋肉を効果的に使えます。
- 腕を大きく振る:肘を90度に曲げ、後ろに引くように腕を振ることで、上半身の筋肉も鍛えられます。
- かかとから着地し、つま先で蹴る:かかとから地面に着き、体重を前方に移動させ、つま先で地面を蹴り出すように歩くと、ふくらはぎや太もも裏の筋肉が活性化します。
これらのポイントを意識しながら歩くことで、通常のウォーキングよりも高い筋トレ効果が期待できます。最初は無理のない範囲で取り入れ、徐々に慣らしていくことが大切です。
まとめ
「なんとなく歩く」から「意識して歩く」へシフトすることで、ウォーキングは単なる有酸素運動から筋トレへと格上げされます。1日1万歩にこだわらず、メッツを意識した歩き方を習慣にすれば、老化防止や転倒予防に効果的です。今日からぜひ、歩き方を見直してみてください。



