東京・新宿区で生まれた「寿司ロボット」が、今や世界90カ国以上に販売網を広げ、売上高は10年で2倍以上に成長した。機械メーカーの鈴茂器工が製造するこのロボットは、回転寿司の“シャリ玉”を自動で作る装置で、国内シェアは80.9%、世界シェアは74.1%を占める。2026年3月期の売上高は158億6400万円と過去最高を更新し、2015年3月期の77億円から倍増した。
海外事業が急成長の原動力
同社の谷口徹社長(57)は、売上高急増の理由について「国内での入れ替え需要に加え、大きいのは海外事業の伸びです」と説明する。2026年3月期決算では、全売上高に占める海外の割合は36.8%に達し、2015年3月期の1割未満から大幅に拡大した。特に米国市場が「圧倒的に伸びている」という。
米国市場でなぜヒット?
谷口社長は「アメリカには日本人も多く住み、日本食文化が根付いているため寿司需要がある。また、物価が高いので日本から輸入される寿司ロボットも高く感じられず、利用が広がっている」と分析する。米国では大手スーパー・ウォルマートの約4600店舗が寿司売場を展開しており、こうした量販店での需要が成長を後押ししている。
寿司の大衆化と米飯文化の広がり
同社は「世界規模の寿司の大衆化」を目指しており、寿司ロボットの普及はその基盤となっている。また、海外でおにぎりへの関心も高まっており、米飯食文化の広がりが同社の成長を支えている。中国ではスシロー人気が追い風となり、アジア市場でも需要が拡大している。
今後の展望
鈴茂器工は、日本の寿司企業の海外進出が進むほど収益が向上する構造を持ち、今後も海外展開を加速させる方針だ。2025年3月期には155億6800万円の売上高を記録し、2期連続で過去最高を更新。ニッチな機械でありながら、世界の食文化の変化を捉えた戦略が実を結んでいる。



