シャープは6月30日、衛星通信ユーザー端末の事業説明会を開催し、ルクセンブルク拠点の大手衛星オペレーターSESとの戦略的パートナーシップを発表した。同社はSESの中軌道(MEO)衛星通信サービス「O3b mPOWER」を2027年から日本で展開し、自社開発の衛星通信端末と組み合わせてシステム構築から保守運用まで一括提供する計画だ。2035年には衛星通信事業全体で売上1000億円を目指す。
スマホの特許を武器に衛星通信へ
シャープの試算によると、安定した通信が使える面積は地球全体の約20%にすぎない。セルラー網は日本の人口の99%以上をカバーするが、面積ベースでは地球の7割を占める海や、山間部・森林地帯には届かない。こうした通信圏外での建機遠隔操縦や船舶運航管理の需要が、衛星通信のビジネスチャンスとなる。
衛星版ビッグバンは2027年に始まる
シャープはスマートフォンで培った特許や無線技術を衛星端末に応用する。SESのO3b mPOWERは低遅延・大容量が特徴で、Starlinkのような低軌道(LEO)衛星とは異なるMEO軌道を採用。シャープは「Starlinkにはない強み」として、安定した接続性と既存の通信インフラとの統合のしやすさを強調する。
2027年に船舶・建機から、2035年には自動車へ
まずは2027年に船舶や建設機械向けにサービスを開始し、その後2035年までに自動車分野への展開を視野に入れる。シャープの衛星通信事業は現時点で売上はほぼゼロだが、同社は「スマホの次は衛星」と位置づけ、新たな収益の柱に育てる構えだ。



