MicrosoftはWindows 11向けの新しいOutlookに対し、2026年後半にかけて10件以上の新機能を追加する計画を発表した。Windows Latestが6月22日に報じたところによると、これらの機能追加はOutlookクラシックユーザーの移行を促進する狙いがあるという。
新機能のロードマップ
2026年7月には、メールの共有権限を委任できる機能が追加される。これにより、第三者にメールボックスへのアクセス権を付与したり、フォルダー単位での権限管理が可能になる。また、PSTファイルからカレンダーと連絡先をインポートする機能も同日に提供予定だ。
8月には「全アカウントビュー(All accounts view)」が実装される。これはGmailの「全受信トレイ」に類似した機能で、接続済みの全アカウントのメールを一画面で閲覧・削除・移動・アーカイブ・既読処理できる。CopilotのAIメールワークフローや横断検索にも対応する。
9月には高度なメールマージ機能が追加される。複数の送信先に同じメールを一斉送信する際、送信先ごとに氏名、社名、プラン名などのフィールドを個別に差し込むことが可能になる。さらに、作業中のOfficeファイル(Word、Excel、PowerPoint)を閉じずにメール添付として送信できる機能や、フォルダーペインでお気に入りフォルダーを折りたたんだ状態でも個別切り替えができる機能も提供される。
10月にはフォルダー管理機能が強化され、フォルダーペインに表示するカウントを「未読数」と「総件数」から選択できるようになる。
未解決の課題
新機能の追加が進む一方、新しいOutlookには依然としてパフォーマンスと品質面での課題が残る。Windows Latestの検証では、一部環境で通知をクリックしてからメールが表示されるまでに10秒以上かかるケースが確認された。Outlookクラシックや他社メールクライアントではほぼ瞬時に表示できる。
この原因として、新しいOutlookがWebView2を利用したWebアプリ構造を採用していることが挙げられる。この構造ではメール表示にWebブラウザー系のプロセス起動や描画処理が必要となり、従来のネイティブアプリ型と比べて応答速度で不利になる場合がある。
品質面では、複数アカウントを追加した場合に一部アカウントの通知が届かなくなる既知の不具合が未解決のまま残っている。Microsoftはこの問題を把握しており、通知遅延を含むパフォーマンス改善のためのアップデートをテスト中であると伝えられているが、正式なリリース時期は明らかになっていない。
企業ユーザーの移行は依然として緩やか
新機能のリストは充実してきたが、企業ユーザーは依然としてOutlookクラシックを使い続ける傾向が強い。パフォーマンスや品質の問題に加えて、新しいOutlookではオフラインでの動作に制約がある。Microsoftは将来的に新しいOutlookへの移行を進める方針を示しているが、Outlookクラシックとは基盤となるアーキテクチャーが異なることから、機能差を完全に埋めるにはまだ時間がかかるとみられている。
その他のリリース時期未定の改善項目として、カレンダーへの条件付き書式設定の適用、日付へのアクション設定、オフラインサポートの強化、メッセージ一覧のプレビューテキストを最大2行まで編集できる機能、サイズや期日フラグによるメール並び替え、同僚のカレンダーを左ペインに表示する機能、カレンダーグループの一括展開・折りたたみ機能などが予定されている。



