ライフスタイル誌に掲載された精神科医ゆうきゆう氏の解説によれば、人間が「めんどくさい」と感じるのは単なるやる気のなさではなく、脳の本能的な反応であるという。脳にとって「わからない」ことはそのまま「危険」と判定されるため、人は無意識のうちに新しい挑戦を避けるようにできている。
脳は未知を危険と見なす
ゆうきゆう氏は、人間の行動は「今の状態」を基準にして決定される傾向が強いと指摘する。何か変化を伴う行動は、たとえ結果的にプラスになると分かっていても、脳はそれをリスクと捉え、先送りする方向に傾く。例えば、「どの箱に何を入れるか」といった単純な決断でも、「全部自分で調べないといけない」「失敗したら困る」という不安が先行し、行動のブレーキとなる。
挑戦する人は生き残れなかった?
さらにゆうきゆう氏は、積極的にチャレンジする人が原始時代には生き残れなかった可能性があると説く。具体例として、食べ物と移動のリスクを挙げている。
食べ物のリスク
現代では新しいレストランに行くのは楽しいイベントだが、原始時代に「食べたことがないものを食べる」ことは生死に関わる重大な危険だった。未知の植物や木の実に毒がある可能性、新しい食べ物で腹を壊し動けなくなって敵に襲われるリスクなど、挑戦は命がけだった。
移動するリスク
同様に、慣れた生活エリアから離れることも危険を伴った。新しい場所での崖、不慣れな道での敵との遭遇、水や食料が確保できない環境への迷い込みなど、地図も情報もなく仲間から離れれば、助けを呼ぶことすら困難だった。
変化を嫌い、安定を選んだ人たち
これらのリスクを避けるため、人間の脳は変化を嫌い、安定を選ぶように進化してきた。ゆうきゆう氏は、「めんどくさい」という感情は、そうした生存戦略の名残であり、やる気の問題ではないと結論づけている。



