田村セツコさん、黒猫「にゃん太」と暮らす日々 創作意欲をかき立てる光る目
田村セツコさん、黒猫「にゃん太」との暮らし 創作意欲を刺激

イラストレーターの田村セツコさんは、黒猫「にゃん太」(オス、推定8歳)と暮らしている。がっちりしていて貫禄たっぷりな猫というのが第一印象だった。初めて家に来たときもためらうことなく中に入り、好奇心の強さからか初めての空間をパトロールし、最初から我が家になじんだという。

音に敏感なにゃん太、雷を予感

にゃん太は物音に敏感だ。プラスチックの袋がすれあうようなぱりぱりした音が大嫌いで、金属同士がぶつかる音も苦手。テレビのドラマで叫ぶシーンがあると逃げ出し、離れた場所で画面をにらみつける。田村さんはにゃん太と暮らすようになって、できる限り大きな音を立てないように注意する癖がつき、動作がおしとやかになったという。

反対に、にゃん太が興味を示すのは鳥の鳴き声。テレビから鳥の鳴き声が聞こえると近寄っていき、猫パンチをする。家の近くでスズメが鳴くと、すぐに鳴き声の方に向かっていく。先日は耳をぴっと立てて、ひげをふるふると震わせていた。どうしたのかなと思った瞬間、ゴロゴロと大きな雷の音が聞こえた。雷の発生を予感しているようで、感心してしまうという。

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創作のインスピレーション源に

関西で展覧会があったときなど、外泊しなければいけなくなったときも、どうにかして1泊にしてもらう。外に泊まると「にゃん太は大丈夫かな」と心配になってそわそわしてしまう。にゃん太が来てから「早く家に帰らないと」と思うようになり、外から帰ってきて家のカギを開けようとしていると、にゃん太はすっとんできて、「にゃん太、元気だった?」と話しかけるとうれしそうな顔をしている気がするという。

猫は仕事机が好きなようで、仕事机はにゃん太のために空けておく。田村さんはキッチンの流しのところに台を置いて、小さくなって仕事をしている。どの猫もかわいいけれど、黒猫は真っ黒な顔に何とも言えない色の目が光っていて、すばらしいデザインだと語る。サンリオの月刊紙「いちご新聞」の連載では黒猫のイラストを描いており、黒猫を描いたカレンダーを作ったこともある。猫からアイデアやインスピレーションをもらうこともたびたびあるという。

にゃん太がいるから頑張ろう

仕事の関係で様々な締め切りがあるが、余裕をもって進めるようになった。バタバタしないで焦らず、慌てず、おしとやかに。にゃん太に心配をかけたくないという思いもある。「にゃん太がいるから頑張ろう」と、いつの間にか思うようになったと田村さんは話す。

田村セツコさんは1938年、東京生まれのイラストレーター。60年代に少女漫画誌「りぼん」や「なかよし」などのおしゃれページで注目され、70年代にはイラスト入りの文具や小物などの「セツコ・グッズ」が大人気に。現在もイラストやコラージュ作品を手がけ、毎年個展を開催するなど多忙な日々を送る。

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