不法投棄監視にドローン活用、大阪府で測量53回に急増 職員の負担軽減
不法投棄監視にドローン活用、大阪府で測量53回に急増

自治体が廃棄物の不法投棄対策にドローンなどの新技術を活用し、是正に向けた業者への指導や早期の対応につなげている。現地での測量回数や通報が増え、収集したデータの客観性が高まった。職員の作業効率化を図ることも期待される。

大阪府のドローン導入実績

大阪府泉南市の山中で府職員が「電線、樹木なし」と声をかけ、ドローンの飛行に問題がないことを確認した。担当者がコントローラーを操作すると、ドローンは地上約70メートルまで浮上し、様々な位置から、木材やがれきが積み上がった保管場所の静止画を15分かけて約180枚撮影し、作業を終えた。

その後、職員がパソコンの専用ソフトで画像を基に廃棄物の体積を算出したり、3Dイメージを作成したりした。その結果、木片やコンクリート片といった建物の解体で出たとみられるごみが法定の上限量を超えていることが判明した。府は今後、業者への行政指導を行う方針だ。

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従来の課題と改善効果

廃棄物は、無関係な土地に不法投棄される例のほか、解体業者が借り受けた保管場所に法定量以上にため込む「野積み」などが目立つ。悪臭や水質汚染を生じさせるほか、火災を引き起こす可能性もある。このため、自治体は、業者が処理や搬出を適切に行っているかの監視、調査を定期的に実施している。

大阪府は従来、産廃の現地測量について、1件あたり職員5人ほどが半日かけており、年に2~5回しかできていなかった。ドローンを導入した2025年10月から今月13日までの8か月間で、測量は53回に急増した。それまで難しかった継続的な状況把握や迅速な行政指導が実現しているという。

かつては法定量を上回る保管が疑われた際、業者が「搬入済みのごみを積み直しただけ」と言い逃れをする場面もあった。現在は職員がドローンで集めたデータを示すと、業者は不適正処理を認め、搬出に応じる例が増えたという。

環境省の推計で、23年度の府内の産廃排出量は国内の3.5%に当たる1280万4000トンで、全国で7番目に多い。府産業廃棄物指導課の担当者は「ごみの山を汗だくで上り下りし、ガラスの破片でけがをする危険もあったが、ドローンの導入でこうした課題は解消された」と語る。

他自治体の取り組みと新技術

最新技術を用いた産廃の調査や解析は、環境省が24年6月、自治体に通知を出して取り組みを促した。読売新聞の取材によると、ドローンによる産廃の監視対策は大阪を含め、滋賀や愛媛など少なくとも15府県で行われている。

三重県は年内にもAI(人工知能)を使って不法投棄を早期に覚知する実証実験を始める。山間部の道路沿いなどに10台の監視カメラを設置し、撮影動画をAIで解析することで、不審な車両を効率的に抽出したい考えだ。

スマートフォンのアプリを使う自治体もある。環境問題の調査研究を行う東京の新興企業「ピリカ」が開発したSNSアプリには、不法投棄を発見した住民が全地球測位システム(GPS)の位置情報、廃棄物の種類などの情報を写真付きで自治体に通報する機能がある。

同社によると、5県がアプリの通報機能を活用している。埼玉県では25年度、一般ごみも含めた不法投棄の通報が151件あった。県産業廃棄物指導課の担当者は「通報によって速やかに回収し、ごみが増えていくことを防げる。住民が目を光らせ、捨てさせない環境を作りたい」と話す。

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