おじさんのハーフパンツ問題、デザインで解決?青山商事がビジネス短パン発売
おじさんのハーフパンツ問題、デザインで解決?青山商事が発売

記録的な猛暑が続く中、東京都が推進する「東京クールビズ」では、都庁などの行政機関でハーフパンツ勤務が認められた。一方、SNSでは「おじさんのハーフパンツ姿は不快」「職場で他人のすね毛を見たくない」といった否定的な声も上がる。そんな逆風の中、スーツ量販店「洋服の青山」を展開する青山商事が、同社初のビジネス向けハーフパンツを発売し、反響を集めている。

ビジネスハーフパンツに挑む理由

開発を担当した商品第一部の佐藤宏樹マネジャーは、「発表以来、短期間でここまで取材を受けることは珍しく、反響の多さに驚いています。洋服の青山としては初の試みで、ハーフパンツを夏のビジネスウエアの新しい選択肢としてほしいと企画しました」と語る。企画段階では社内でも賛否両論があったが、「ビジネスウエアを販売する当社だからこそ提案すべきアイテムだと考えました」という。

ビジネスウエアの多様化は急速に進んでおり、洋服の青山ではTシャツやポロシャツの売り上げが劇的に伸びている。佐藤氏は「以前は週5日スーツが主流でしたが、コロナ禍以降、Tシャツが受け入れられるなど変化が加速。ビジネスパーソンの多くが当たり前にハーフパンツを履く未来が来ないとは言い切れません。そうなった時に、弊社で取り扱っていないという事態だけは避けたい」と販売決断の背景を説明する。

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デザインで解決する「おじさんのハーフパンツ問題」

ビジネスで成立するハーフパンツと、単なる「だらしない格好」の境界線はどこにあるのか。佐藤氏は「相手への敬意が見られるかどうか」が鍵だと指摘する。「ビジネスシーンでは、いかに清潔感があるか、相手が受け取る印象が重要です。色・素材・柄・丈の長さなど、相手に敬意を払っていることが伝わる服装を意識することが大切です」

具体的には、丈の長さとシルエットにこだわり、ミリ単位で調整を重ね、座った際の過度な露出を抑えた。裾に向かって細くなるテーパードシルエットを採用し、足元をすっきりと上品に見せる。素材もシワになりにくいナイロンを採用し、「他人にどう見られるか」の懸念を一つ一つ解消したという。

SNSで「職場で他人のすね毛を見たくない」との声については、佐藤氏は「様々なメディアから同様の質問を受けますが、会社としての回答は差し控えさせていただいています」としつつ、根幹には「他人からどう見られたいか」を基準に選んでほしいと話す。「清潔感や相手へのリスペクトの軸がしっかりしていれば、どんなファッションでも不快感は軽減できます。例えば、スポーティーな印象が強すぎる大きなロゴ入りのパンツは避ける、サンダルや派手な色柄を合わせないなど、自分がどう見られたいかを考えることで自然とコーディネートが決まります」

2〜3年後にはスタンダードになる可能性

青山商事は、ハーフパンツを単体で販売するのではなく、同色同素材のジャケット、半袖シャツ、Tシャツ、ロングパンツと自由に組み合わせられる「カセット服」として展開。ハーフパンツの生産数はロングパンツの半分以下に抑え、リスクを管理している。佐藤氏は「商談時はジャケットとロングパンツ、内勤時はシャツとハーフパンツなど、シーンに合わせて組み合わせを変えていただくことを目的としています。お客様の選択肢の一つとして、求められた時にそこにあることが大切です」と語る。

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今後、ビジネスシーンにハーフパンツが定着するかは未知数だが、佐藤氏は「Tシャツやリュック、スニーカーなど、以前はNGとされた服装が今は当たり前になっています。変化のスピードが速いので、2〜3年後にはハーフパンツが当たり前の時代が来るかもしれない。その時に青山商事が取り扱っていない状況はあり得ないと本気で考えています」と展望を語る。

常識は賛否両論の積み重ねで形作られる。青山商事の挑戦が新たな流れを生み出すのか、その答えは数年後のオフィスの風景が教えてくれるだろう。