コロナ禍をきっかけにビジネスウェアのカジュアル化が進む中、青山商事が発売した防虫メッシュアノラックプルオーバーが意外な売れ行きを見せている。一見すると不審者にも見えるデザインだが、実際には新たな客層を呼び込むフックとして機能している。
スーツ店の固定観念を覆す商品
洋服の青山を運営する同社では、スーツ以外の商品比率が確実に拡大している。帝国データバンクの調査によると、紳士服主要7社の店舗数はコロナ禍前のピーク時から約700店舗(約2割)減少しており、特に地方のロードサイド店舗ではスーツ目的以外の来店が少ない。
こうした中、防虫ウェアはこれまで接点の薄かった新たな客層を呼び込む一つのフックになりそうだ。
スーツ市場縮小の中での戦略
同社は「スーツ店という固定観念を、良い意味で裏切る商品を配置していきたい」とし、「スーツを買うためだけでない、新しい来店動機をいかにつくっていけるかは常に意識しています」と話す。
「働く人を支える」というコンセプトを仕事中だけでなく休日へも広げる試みは、スーツ市場が縮小する中での生存戦略でもある。今回の防虫ウェアの反響は、スーツ店として培ってきた強みを別の市場へ展開できることを示した一例といえる。



