教育スタートアップEnumaのCEOスイン・リー氏とCTOコンホ・リ氏が、タブレット学習をめぐる誤解について語った。世界1500万人に学習アプリを提供する2人は、AI時代における「1人1台」の意味を問いかける。
日本専用の新プロダクト投入計画
取材の中で、Enumaは今年中に日本専用の新しいプロダクトを投入する計画を明かした。新製品はまず日本市場に投入し、語学のパイプラインを築くという。
韓国や中国では年齢が上がるほど親の関心がテストのスコアに偏るのに対し、日本では英検に代表されるように4技能を測る仕組みがあり、リスニングやスピーキングも求められる。この違いが今後数年で大きな差を生むはずだとコンホ氏は付け加えた。
本当の壁は、子どもではなく親にある
取材の終盤、2人は日本の親に向けたメッセージを語った。
スイン氏は、教育上の判断における本当の壁は子どもではなく親にあると指摘。世界はこの数年、数カ月で劇的に変わり、これからも変わり続ける。にもかかわらず、親は自分が受けた教育を基準に判断してしまう。学びは子どもだけのものではなく、親自身が目と心を開いて新しいことを学ばなければならないと訴えた。
コンホ氏は「かつて自分の親は『漫画ではなく本を読め』と言った。そして今、私たちは『YouTubeではなくNetflixを見なさい』と言っているようなものだ」と笑う。
テクノロジーの良い面を受け入れ、子どもを信じる
2人はテクノロジーのよい面を受け入れることを恐れないでほしいとしつつ、SNSやドーパミン依存といった暗い面に注意を促した。これからの時代の子どもは、古い紙と鉛筆だけでは学べないのだから。
最後にコンホ氏が挙げた最も大切なことは「子どもを信じること」。子どもは親よりもよく分かっていて、どうにかして生き抜いていく。親はただ導き、守ればいいという言葉だった。
筆者には8歳と6歳の娘がいて、毎日のように学習アプリを開いている。取材を終えて気づいたのは、タブレット学習への罪悪感の正体は「デジタルそのもの」ではなく、「使い方が分からないこと」だったということだ。
子どもを1人にするために画面を渡すのか、それとも一緒に見るために渡すのか。同じ端末でも、意味はまったく変わる。1人1台という形式より、その1台のまわりに誰がいるかのほうが、はるかに本質的なのかもしれない。GIGAスクール構想が次の段階に入ろうとしている今、問われているのは端末の数ではなく、その使い方をめぐる大人の側の想像力である。



