レノボ・ジャパンは5月26日、水冷技術を活用したAIインフラの検証施設「Neptuneラボ」を新設した。レノボの冷却技術を利用する顧客やパートナー企業に対し、本番に近い検証やPoC(概念実証)環境として提供する。クラウドベンダーやSIerとの共同検証を通じ、推奨される機器構成などの策定にも役立てる。レノボが日本で同様の施設を開設するのは初めてという。
施設の概要と目的
施設はデータセンター事業者のMCデジタル・リアルティ(東京都港区)が保有する「NRT12データセンター」(千葉県印西市)内に開設された。レノボが開発するAI・HPC向け水冷技術「Lenovo Neptune」と、ニデック製の冷却液分配装置、GPUサーバ、ラック、ネットワークなどを組み合わせてAI推論・学習環境を構成し、消費電力や冷却性能など運用性を検証できるという。
水冷技術の必要性
近年はAI需要の高まりにより、高性能GPUを多数搭載したサーバの導入が進んでおり、空冷のみでは運用が難しいケースも増えているとレノボは指摘する。検証環境の整備により、水冷技術の活用を加速する狙いだ。今後はSIerやクラウドベンダー、データセンター事業者との連携をさらに拡大し、水冷技術の知見を共有できるコミュニティーの形成も目指す。
関連動向
マイクロソフトは水を使わない次世代データセンター技術を発表。AIワークロードに最適化されており、水の蒸発なしに温度制御を実現できるとしている。NTT東日本はコンテナ型データセンター事業に参入。傘下のNTT-MEが2025年内に北海道苫小牧市で約5万平方メートルの土地を確保し、最短で2027年4月をめどに1基目の稼働を開始する。主に国内のGPUクラウドベンダーやSIer、大学などの利用を見込む。
海上に浮かぶデータセンターでは、日本郵船やNTTファシリティーズ、三菱UFJ銀行、横浜市、ユーラスエナジーホールディングスが「浮体式データセンター」の稼働を開始した。実用化を見据えた実証実験として、2027年3月までをめどに波浪や振動の影響などを検証していく。
米国の調査機関Gallupは、居住地域でのAIデータセンター建設に対し、米国民の7割以上が反対しているとの調査結果を発表した。反対理由として、資源の過剰消費や公共料金への影響が挙げられ、支持派を大きく上回っている。この強い反対姿勢は今後のインフラ拡大における大きな障害となると分析している。



