中古EVバッテリー転売で月収100万円超、中国で急拡大する闇ビジネスの実態
中古EVバッテリー転売で月収100万円超、中国で急拡大する闇ビジネス

中国で電気自動車(EV)用の中古バッテリーを新品として転売する闇ビジネスが急拡大している。業者の中には月収100万元(約2000万円)を超えるケースもあり、年間取引額は数百億元(数千億円)規模に達する可能性があるとみられる。

補助金制度の抜け穴を悪用

中国政府はEV普及を促進するため、新車購入時にバッテリー代の一部を補助する制度を導入している。しかし、この制度には抜け穴があり、悪質業者が中古バッテリーを新品として偽装し、転売することで不当な利益を得ている実態が明らかになった。

業者は使用済みEVからバッテリーを回収し、外装を新品同様に加工した上で、補助金申請書類を偽造。正規の販売ルートに紛れ込ませている。ある業者は取材に対し、「月に100台分のバッテリーを処理し、純利益は100万元を超える」と語った。

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品質リスクと環境問題

こうした中古バッテリーは容量が低下しているだけでなく、内部に損傷がある可能性が高く、発火や爆発のリスクを孕む。2023年には、偽造バッテリーを搭載したEVが走行中に発火する事故が少なくとも10件報告されている。

また、本来適切にリサイクルされるべき使用済みバッテリーが違法に転売されることで、環境汚染の懸念も高まっている。リチウムやコバルトなどの希少金属の回収率が低下し、廃棄物処理施設への負荷が増大している。

当局の対応と課題

中国政府は2023年、バッテリーのトレーサビリティを強化するための全国データベースを構築したが、偽造防止には至っていない。業者はデータベースへの虚偽登録や、複数のIDを使い分けることで監視をかいくぐっている。

専門家は「補助金制度そのものの見直しが必要」と指摘する。中国汽車工業協会の関係者は「抜本的な対策には、バッテリーのシリアル番号管理の徹底と、罰則の強化が不可欠だ」と述べている。

一方、この闇ビジネスは中国国内に留まらず、東南アジアやアフリカ諸国にも流出している可能性がある。国際的な協力体制の構築が急務となっている。

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