トヨタの水素エンジン戦略、中国市場で逆風か
トヨタ水素エンジン、中国で逆風か

トヨタの水素エンジン戦略に暗雲

トヨタ自動車が長年推進してきた水素エンジン戦略が、世界最大の自動車市場である中国で大きな逆風に直面している。中国政府は電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)への補助金を拡充する一方、水素ステーションなどのインフラ整備が計画通りに進んでおらず、水素自動車の普及が遅れている。

中国政府のEVシフト加速

中国工業情報化省の発表によると、2023年の新エネルギー車(NEV)販売台数は前年比35%増の約950万台に達し、うちEVが約650万台を占めた。一方、水素燃料電池車の販売台数はわずか約5000台にとどまっている。中国政府は2035年までに新車販売の50%をNEVとする目標を掲げるが、水素車はその対象から事実上除外されている。

インフラ整備の遅れが致命的

水素自動車普及の鍵を握る水素ステーションは、2023年末時点で中国全土に約400カ所しか設置されていない。トヨタは2020年に中国大手自動車部品メーカーと合弁で水素ステーションの設置を進めてきたが、計画は遅延している。業界関係者は「水素の製造コストが高く、輸送・貯蔵にも課題がある」と指摘する。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

トヨタの戦略転換はあるか

トヨタは2023年、中国市場でのEV販売を強化するため、新たなEVブランド「bZ」シリーズを投入した。しかし、2024年上半期の中国市場でのEV販売台数は約1万台と、BYDの約160万台に大きく水をあけられている。トヨタは「水素エンジンは商用車や大型車で有効」と主張するが、中国市場では乗用車向けのEVシフトが加速しており、戦略の見直しを迫られる可能性がある。

日本市場でも水素普及は道半ば

日本国内でも水素自動車の普及は進んでいない。経済産業省のデータによると、2024年3月時点の水素ステーションは全国で約170カ所、燃料電池車の累計販売台数は約8000台にとどまる。トヨタは2023年に商用車向け水素エンジンを発表したが、コスト低減が課題だ。

海外メディアも注目

ブルームバーグは「トヨタの水素戦略は中国のEVシフトの中で孤立している」と報じ、ロイターは「トヨタは水素からEVへの転換を加速すべき」とのアナリスト見解を伝えている。トヨタの豊田章男会長は「水素は重要な選択肢」と述べるが、市場の現実は厳しい。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ