トヨタ、中国でEV生産を現地合弁に全面移管へ 2025年から
トヨタ、中国EV生産を合弁に全面移管へ

トヨタ自動車は、中国市場向け電気自動車(EV)の生産を2025年から現地合弁会社に全面移管する方針を固めた。これまでトヨタは中国でEVを含む全車種を自社主導で生産してきたが、急速に拡大する中国EV市場での競争力強化に向け、現地パートナーとの連携を深める。

合弁会社への生産移管の詳細

トヨタは中国で、広汽集団との合弁「広汽トヨタ」と、第一汽車との合弁「一汽トヨタ」の2社を展開している。これまではこれらの合弁会社がガソリン車やハイブリッド車(HV)を生産し、EVについてはトヨタ本体が主導して生産してきた。しかし、今回の決定により、トヨタは中国向けEVの生産をこれらの合弁会社に全面的に委ねる。

具体的には、2025年から広汽トヨタと一汽トヨタがそれぞれEVの生産を開始する。トヨタは2026年までに中国市場に10種類以上のEVを投入する計画で、その生産を合弁会社が担う。これにより、トヨタは現地のサプライチェーンや市場ニーズに迅速に対応できる体制を整える。

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背景:中国EV市場の急成長

中国は世界最大のEV市場であり、2023年の新車販売に占めるEVの割合は約25%に達した。中国政府は2035年までに新車販売の50%をEVとする目標を掲げており、市場はさらに拡大が見込まれる。こうした中、トヨタは中国市場でのEV販売で出遅れている。2023年の中国でのEV販売台数は約1万5000台と、BYDの約300万台に大きく差をつけられている。

トヨタの中国事業責任者は「中国市場のスピード感に対応するため、現地パートナーとの協業を強化する必要がある」と述べている。

トヨタのEV戦略の転換

トヨタはこれまで、HVや燃料電池車(FCV)にも注力してきたが、世界的なEVシフトの加速を受け、EV戦略を強化している。2026年までに世界で150万台のEV販売を目標に掲げ、2030年までに350万台を目指す。今回の中国での生産移管は、その一環として位置づけられる。

また、トヨタは中国市場向けに独自開発したEVプラットフォームを採用し、現地の部品調達や生産工程を最適化する。これにより、コスト競争力を高め、価格帯の異なる多様なEVを投入する計画だ。

合弁会社への影響

広汽トヨタと一汽トヨタは、これまでガソリン車やHVの生産でトヨタの中国事業を支えてきた。EV生産の移管により、両社はEV関連の設備投資や技術習得を進める必要がある。トヨタは技術支援や部品供給で協力し、両社のEV生産能力を段階的に引き上げる方針だ。

一方で、トヨタ本体の中国工場(常熟工場など)は、EV生産から撤退し、エンジンやトランスミッションなどの部品生産に特化する可能性がある。これにより、トヨタは中国事業全体の効率化を図る。

市場の反応と今後の見通し

今回の発表に対し、市場からは「トヨタが中国市場の特殊性を認識し、現地化を加速するのは理にかなっている」との声が聞かれる。一方で、「合弁会社への全面移管は、トヨタの技術流出リスクを伴う」との指摘もある。

トヨタは2024年2月、中国でEV生産を合弁に移管する計画を一部報道で明らかにしていたが、今回正式に決定した。今後、中国市場でのEV販売台数や市場シェアの変動が注目される。

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