トヨタ、水素エンジン車の実用化へ
トヨタ自動車が水素エンジン車の実用化に向け、2026年に新型燃料電池車(FCV)を投入する方針を固めたことが、関係者の話で明らかになった。同社はこれまで水素エンジン車の開発を進めてきたが、量産化に向けた具体的な時期が示されたのは初めて。水素エンジン車は、ガソリン車と同様のエンジン構造で水素を燃焼させるため、二酸化炭素を排出しないクリーンな動力源として注目されている。
カーボンニュートラル実現の鍵
トヨタは2030年までに、全世界での新車販売における電動車比率を50%以上にする目標を掲げている。その一環として、水素エンジン車は重要な位置づけとされている。同社の豊田章男社長は「水素は未来のエネルギーとして大きな可能性を秘めている」と述べ、水素社会の実現に向けた取り組みを加速する考えを示している。
課題はコストとインフラ
しかし、水素エンジン車の普及には多くの課題がある。まず、水素自体の製造コストが高い。現在、水素は化石燃料から製造されることが多く、CO2排出削減効果を高めるには再生可能エネルギーを使った水素製造が必要となる。また、水素ステーションの整備も遅れており、全国で約160カ所しかない。さらに、水素エンジン車の車両価格も高額で、現行のFCV「ミライ」は約700万円以上と、一般消費者には手が届きにくい。
競合他社の動向
トヨタ以外でも、ホンダや日産自動車などが水素関連技術の開発を進めている。ホンダは2024年に新型FCVを投入する計画で、日産は燃料電池車の商用車向け開発に注力する方針だ。また、海外では韓国の現代自動車やドイツのBMWなども水素車の開発を加速している。
水素エンジン車の将来性
専門家は、水素エンジン車が本格的に普及するには2030年代以降になると見ている。国際エネルギー機関(IEA)の報告書によると、2050年のカーボンニュートラル達成には、水素の需要は現在の約6倍に増加する必要があるという。トヨタは2026年の新型FCV投入を皮切りに、水素エンジン車のラインアップを拡大し、コスト低減やインフラ整備に貢献する方針だ。



