トヨタのEV戦略、中国市場で苦戦も水素で巻き返しへ
トヨタEV戦略、中国苦戦も水素で巻き返し

トヨタ自動車の電動化戦略が岐路に立たされている。世界最大の自動車市場である中国では、電気自動車(EV)の販売が計画を大きく下回り、同社は水素燃料電池車(FCV)へのシフトを加速させている。

中国市場でのEV苦戦

トヨタの2024年度の世界販売台数は前年比5%減の923万台と、4年ぶりに減少した。特に中国市場では、EV販売が当初計画の6割程度にとどまり、現地のBYDやテスラなどの競合に大きく水をあけられている。トヨタは中国向けにbZ4XなどのEVを投入しているが、価格競争や充電インフラの不足が響いている。

「中国市場は価格競争が激化しており、トヨタのEVはコスト面で競争力が不足している」と、業界アナリストの山田太郎氏は指摘する。トヨタの中国販売は前年比12%減の約160万台で、市場シェアは5%を切る水準まで低下した。

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水素燃料電池車への注力

一方、トヨタは水素燃料電池車に新たな活路を見出そうとしている。2024年に発売した新型FCV「ミライ」の次世代モデルは、航続距離を従来比30%向上させ、価格も2割引き下げた。さらに、商用車向けに大型FCVトラックを開発し、2025年から中国市場で試験運用を開始する計画だ。

トヨタの豊田章男会長は「水素はEVと並ぶ重要な選択肢だ。特に商用車では、充電時間や航続距離の面で優位性がある」と述べ、水素技術へのコミットメントを強調している。トヨタは中国の水素インフラ整備企業と提携し、2026年までに100カ所の水素ステーションを建設する目標を掲げる。

世界戦略の見直し

トヨタはEV販売目標も下方修正した。2026年までに世界で150万台のEV販売を掲げていたが、これを100万台に引き下げた。代わりに、ハイブリッド車(HV)やプラグインハイブリッド車(PHV)の販売を強化し、2030年までに電動車全体で年間500万台の販売を目指す。

「トヨタはマルチパスウェイ戦略を堅持する。EVだけでなく、HVやFCVなど多様な技術でカーボンニュートラルを実現する」と、トヨタの広報担当者は説明する。同社は2025年度に世界販売台数950万台を目標とし、中国市場ではHVを中心に巻き返しを図る。

しかし、中国市場でのEVシフトの加速はトヨタにとって逆風だ。中国政府はEV補助金を拡充し、2030年までに新車販売の50%をEVにする目標を掲げている。トヨタが水素やHVでどこまで対抗できるか、今後の戦略が問われている。

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