トヨタ自動車の2024年度第1四半期(2024年4~6月)の電気自動車(EV)販売台数は、前年同期比で約2倍となる約5万4000台に拡大した。しかし、車両販売の利益率は低下しており、電動化に向けた巨額投資が収益を圧迫する構図が浮き彫りとなった。
EV販売は急成長も、収益性に課題
トヨタが8月1日に発表した2024年度第1四半期決算によると、連結営業利益は前年同期比17%増の1兆3050億円と過去最高を更新した。しかし、この増益は主に円安効果によるもので、車両販売の利益率は前年同期の9.8%から9.1%に低下した。特にEV関連の投資負担が大きく、トヨタは2025年度までにEV向けに5兆円の投資を計画している。
トヨタの豊田章男会長は「EV販売は計画通りに伸びているが、収益化にはまだ時間がかかる」と述べ、電動化戦略の課題を認めた。同社は2026年度までに年150万台のEV販売を目標に掲げるが、現状の販売台数は目標の約3%にとどまっている。
地域別の販売動向と今後の戦略
地域別では、北米市場でのEV販売が好調で、前年同期比2.5倍の約2万3000台を記録。一方、中国市場では競争激化により販売が伸び悩み、同1.3倍の約1万2000台にとどまった。欧州では同1.8倍の約1万台と堅調に推移した。
トヨトは、2024年度の世界EV販売目標を前年度比約2倍の20万台に設定している。しかし、中国のBYDや米テスラとの競争が激化する中で、利益率の維持が課題となる。トヨタは、次世代EVの投入や電池コスト削減により、2026年度までにEV事業の黒字化を目指す方針だ。
市場の反応とアナリストの見方
決算発表後、トヨタの株価は一時下落した。アナリストからは「EV販売の急成長は評価できるが、利益率の低下は懸念材料」との声が上がっている。また、トヨタの電動化戦略は、ハイブリッド車(HV)やプラグインハイブリッド車(PHV)とのバランスが重要との指摘もある。
トヨタは、2025年までにEV10車種以上を投入し、2030年にはEV販売350万台を目指す。しかし、当面はHVが収益の柱であり、EVへの過度なシフトはリスクを伴うとみられる。トヨタは、多様な電動車を展開する「マルチパスウェイ戦略」を堅持しつつ、EV競争に臨む構えだ。



