トヨタ自動車が新型電気自動車(EV)の生産拠点として中国を選んだ理由について、同社の幹部が詳細を明らかにした。中国市場の成長性と、現地に構築された強固なサプライチェーンが主な要因だという。
トヨタ、中国でのEV生産を拡大
トヨタは2026年までに10車種のEVを投入する計画で、そのうちの1つである新型SUVの生産を中国で開始する。同社の中国事業責任者は「中国は世界最大のEV市場であり、顧客ニーズに迅速に対応するためには現地生産が不可欠だ」と述べた。
また、中国にはバッテリーや半導体などEVに必要な部品のサプライヤーが集積しており、調達コストの削減やリードタイムの短縮が可能になるという。トヨタは2025年までに中国でのEV生産能力を年産50万台に引き上げる目標を掲げている。
「なんでここで?」の背景
一部からは「なぜ中国なのか」という疑問の声も上がるが、トヨタの戦略は明確だ。同社は中国市場でのEV販売を2030年までに年間200万台と見込んでおり、現地生産によるコスト競争力の強化が急務となっている。
さらに、中国政府のEV普及政策や充電インフラの整備も追い風となっている。トヨタは中国の合弁企業である広汽トヨタと一汽トヨタを通じて、新型EVの生産を開始する予定だ。
競争激化する中国EV市場
中国のEV市場はBYDやテスラなどの競合がひしめく激戦区だ。トヨタは2023年の中国市場でのEV販売台数が約10万台にとどまっており、シェア拡大が課題となっている。新型EVの投入により、2025年には販売台数を倍増させる計画だ。
トヨタの豊田章男会長は「中国市場での成功がグローバルなEV戦略の鍵を握る」と強調している。同社は中国だけでなく、米国や欧州でもEV生産を拡大する方針だが、まずは中国での地盤固めを優先する。



