トヨタ自動車と日産自動車が電気自動車(EV)用バッテリーの共同開発と生産で基本合意したことが、複数の関係筋への取材で明らかになった。両社は2025年にも合弁会社を設立し、次世代バッテリーの量産を目指す。この協業は、世界的なEVシフトが加速する中で、日本メーカーが競争力を維持するための重要な一手とみられる。
協業の背景と目的
両社の協業は、EVの中核部品であるバッテリーの調達コスト削減と技術開発の迅速化が主な目的だ。トヨタはハイブリッド車(HV)で培ったバッテリー技術を持ち、日産はEV「リーフ」で量産実績がある。両社の知見を組み合わせることで、生産効率の向上とコスト低減を図る。
合弁会社は、リチウムイオン電池の生産を手掛け、2028年までに年産能力50GWh(ギガワット時)を目標とする。これは、EV約70万台分に相当する規模だ。工場の立地は、両社の既存拠点を活用する方向で調整中とされる。
業界への影響と今後の展望
この協業は、日本の自動車業界に大きな波及効果をもたらす可能性がある。バッテリーの調達コストが下がれば、EVの価格競争力が向上し、普及が加速する。また、共同開発により、固体電池などの次世代技術の実用化が早まることも期待される。
トヨタの広報担当者は「EV市場の成長に対応するため、バッテリーの安定調達と技術革新が不可欠だ。日産との協業は、そのための有効な手段と判断した」と述べている。一方、日産の関係者は「両社の強みを活かし、持続可能なモビリティ社会の実現に貢献したい」とコメントした。
両社は今後、合弁会社の詳細な出資比率や経営体制を詰める。政府も、EV用バッテリーの国内生産基盤強化を重要政策に位置付けており、今回の協業を支援する方針だ。



