トヨタ自動車と日産自動車の電気自動車(EV)戦略に、明暗がはっきりと分かれている。トヨタはハイブリッド車(HV)に注力する一方で、EVへのシフトが遅れている。日産はリーフでEV市場を先駆けたが、中国市場ではテスラや中国メーカーの台頭により苦戦を強いられている。
トヨタのEV戦略:ハイブリッド重視で出遅れ
トヨタは長年、HV技術で世界をリードしてきた。しかし、EVへの本格的な参入は遅れ、2022年にようやく量販EV「bZ4X」を発売した。2025年までにEVの販売台数は全世界で60万台を目標とするが、これはテスラの年間販売台数(約130万台)の半分にも満たない。トヨタの豊田章男会長は「EVだけが唯一の選択肢ではない」と述べ、多様なパワートレイン戦略を強調する。しかし、中国や欧州の規制強化を背景に、EVシフトの加速が求められている。
日産のEV戦略:先行も中国市場で失速
日産は2010年に量産EV「リーフ」を投入し、EV市場を先駆けた。しかし、その後は中国市場で地元メーカーの台頭に直面し、販売が伸び悩んでいる。2023年の中国でのEV販売台数は約10万台と、BYDの約300万台に大きく水をあけられた。日産の内田誠社長は「中国市場では、現地メーカーとの競争が激化している」と認める。日産は2026年までに中国でEVとプラグインハイブリッド車(PHV)を計10車種投入する計画だが、巻き返しは容易ではない。
EVシフトの背景:中国市場の重要性
世界最大の自動車市場である中国では、政府のEV推進政策により、EV販売が急増している。2023年の中国新車販売に占めるEVの割合は約25%に達し、2030年には50%を超えると予測される。トヨタと日産にとって、中国市場でのEV戦略の成否は、今後のグローバル競争を左右する。
両社の戦略の違いと今後の課題
トヨタはHVからEVへの段階的な移行を目指す一方、日産はEVへの全面移行を掲げる。しかし、両社とも中国市場での存在感を高めるには、現地メーカーとの差別化が不可欠だ。トヨタは水素エンジンや固体電池など、次世代技術への投資を強化している。日産はコスト競争力の向上と、中国市場向けの専用EV開発を急ぐ。2025年までに、両社の戦略の結果が明らかになるだろう。



