トヨタと日産が新型EVで激突、日本市場の競争激化
トヨタと日産が新型EVで激突、日本市場競争激化

トヨタ自動車と日産自動車が、ほぼ同時期に新型電気自動車(EV)を投入し、国内市場での競争が一気に激化している。両社はそれぞれ異なるアプローチでEVシフトを加速させており、消費者にとって選択肢が広がる一方、価格や航続距離、充電インフラなどで熾烈な戦いが繰り広げられている。

トヨタの新型EV:bZ4Xの改良版と新モデル

トヨタは、2024年秋に発売予定の新型EV「bZ4X」の大幅改良版に加え、新たなコンパクトSUVタイプのEVを投入する計画を明らかにした。bZ4Xは、航続距離を現行の約500kmから600km以上に延ばし、急速充電時間も30分から20分に短縮。価格は現行モデルと同等の550万円前後を維持する見込みだ。また、新モデルは400万円台を想定し、より幅広い顧客層を狙う。

トヨタのEV戦略責任者は「日本市場でのEV普及には、手頃な価格と実用的な航続距離が不可欠。今回の新型車で、多くのユーザーにEVの魅力を体感してもらいたい」とコメントしている。

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日産の新型EV:アリアの派生モデルと低価格戦略

一方、日産は既存のEV「アリア」の派生モデルとして、クーペスタイルの「アリア クーペ」と、よりコンパクトな「アリア コンパクト」を2024年後半に発売する。特にコンパクトモデルは350万円台からと、トヨタの新モデルよりも低価格に設定。航続距離は400km程度と抑えられるが、都市部での日常使用に特化した設計となっている。

日産のEV事業本部長は「日産はリーフで培ったEVのノウハウを活かし、多様なニーズに応えるラインアップを展開する。特に若い世代に手の届く価格帯を重視した」と述べている。

競争激化の背景:政府のEV普及目標と補助金

両社の積極的なEV投入の背景には、政府が掲げる2035年までに新車販売の全てを電動車(EV、HV、PHEV、FCV)とする目標がある。また、2024年度のEV購入補助金は最大85万円に拡充され、充電インフラ整備にも補助金が充てられる。これにより、国内のEV需要は2023年の約2万台から2024年には4万台以上に倍増すると予測されている。

ただ、課題も残る。急速充電器の設置数は全国で約1万基と、欧州の約5万基に比べて大幅に少なく、地方での充電環境が普及の壁となっている。両社はそれぞれ充電ネットワークの拡充にも乗り出しており、トヨタは全国のトヨタディーラーに急速充電器を設置、日産はエネオスと提携してガソリンスタンドへの充電器設置を進めている。

市場への影響と今後の展望

専門家は、トヨタと日産の競争が日本市場のEV普及を加速させると見る。自動車アナリストの田中氏は「両社の新型EV投入により、2024年の国内EV販売台数は前年比2倍の4万台を超える可能性がある。価格競争が進めば、さらに普及が進むだろう」と分析する。

一方で、海外メーカーのテスラや中国のBYDも日本市場に攻勢をかけており、競争はさらに激化する見通しだ。日本の自動車メーカーがこの競争に打ち勝つためには、技術力だけでなく、アフターサービスや充電インフラの整備など、総合的な顧客体験の向上が求められる。

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