トヨタとホンダ、EVバッテリーで中国勢と提携拡大へ
トヨタとホンダ、EVバッテリーで中国勢と提携拡大

トヨタ自動車とホンダは、電気自動車(EV)向けバッテリーの調達において、中国企業との提携を拡大する方針を固めた。両社は2030年までに世界販売の3割をEVにする目標を掲げており、安定したバッテリー供給網の構築が急務となっている。

トヨタ、CATLとの協業を深化

トヨタは、中国のバッテリーメーカーである寧徳時代新能源科技(CATL)との協業をさらに深化させる。すでに2020年に両社はEV向けバッテリーの共同開発で合意しているが、今回新たに次世代バッテリーの量産化に向けた具体的な協業を進める。トヨタのEV戦略では、2025年までに15車種のEVを投入し、2030年には年間350万台のEV販売を目指している。この目標達成には、CATLからの安定供給が不可欠とされる。

ホンダ、BYDとの提携拡大

ホンダは、中国のBYDとの提携を拡大する。BYDは自社でバッテリーを生産しており、ホンダは2024年に中国市場で発売する新型EVにBYD製バッテリーを採用することを決定した。両社はさらに、次世代バッテリーの共同開発にも乗り出す予定だ。ホンダの三部敏宏社長は「BYDとの協業は、コスト競争力のあるEVを迅速に市場に投入する上で重要だ」と述べている。

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中国勢との提携が不可欠な理由

日本の自動車メーカーが中国バッテリーメーカーとの提携を強化する背景には、世界のバッテリー市場で中国勢が圧倒的なシェアを占めていることがある。市場調査会社のデータによると、2022年の世界のEV用バッテリー市場で、中国企業のシェアは約6割に達する。特にCATLは世界シェア約34%で首位、BYDは約13%で3位につけている。日本勢はパナソニックが約8%で4位だが、中国勢との差は大きい。

また、バッテリーの原材料であるリチウムやコバルトなどの資源確保でも、中国企業は強みを持つ。中国はこれらの精製能力でも世界の大半を占めており、日本メーカーは中国企業との連携なしには競争力のあるEVを生産するのが難しいのが実情だ。

日米欧のバッテリー調達戦略

一方で、トヨタやホンダは中国への過度な依存を避けるため、日本国内や米国でのバッテリー生産も進めている。トヨタは2025年までに日本と米国でバッテリー生産拠点を立ち上げる計画だ。ホンダも米国でバッテリー工場の建設を検討している。しかし、これらの工場が本格稼働するまでは、中国からの調達が主力となる見通しだ。

欧米の自動車メーカーも同様のジレンマを抱えている。フォルクスワーゲンはCATLからバッテリーを調達する一方、自社でのバッテリー生産も計画する。テスラはパナソニックに加え、CATLやLGエナジーソリューションからも調達している。

今後の展望と課題

日本の自動車メーカーが中国バッテリーメーカーとの提携を拡大する一方で、地政学的リスクも指摘される。日中関係の悪化や、米中対立の激化がサプライチェーンに影響を及ぼす可能性がある。また、欧米が中国への依存を減らす動きを強めており、日本メーカーも長期的には調達先の多様化が必要とされる。

トヨタとホンダは、中国勢との提携で短期的な競争力を確保しつつ、中長期的には自社や他地域での生産能力を高めるという二正面作戦を迫られている。

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