トヨタ自動車とホンダの電気自動車(EV)戦略に、明暗が分かれつつある。トヨタはハイブリッド車(HV)に注力する一方で、EVへの移行が遅れているとの批判がある。一方、ホンダは米ゼネラル・モーターズ(GM)との協業を軸に、北米市場でEV攻勢を強めている。
トヨタのHV重視戦略
トヨタは、HVやプラグインハイブリッド車(PHV)を中心としたマルチパスウェイ戦略を掲げる。2023年の世界販売では、HVが約340万台を占め、EVは約10万台にとどまった。トヨタの豊田章男会長は「EVだけが唯一の解決策ではない」と述べ、多様な動力源の重要性を強調している。
しかし、この戦略は投資家から不満の声が上がっている。環境団体や一部の株主は、トヨタのEVへの取り組みが遅すぎると批判。2023年の株主総会では、気候変動関連の提案が否決されたものの、賛成票が30%を超え、経営陣に圧力がかかっている。
ホンダのEV攻勢
ホンダは、GMと共同開発したEVの量産を2024年に開始する。北米市場向けに、SUVタイプの「ホンダ プロローグ」と「アキュラ ZDX」を投入予定。さらに、2026年までに新型EVプラットフォームを導入し、2030年までに世界で30車種のEVを投入する計画だ。
ホンダの三部敏宏社長は「EVシフトは不可逆的な流れ」と述べ、積極的な投資を継続する方針を示している。2023年には、カナダのEV工場に約1.4兆円を投資する計画も発表した。
市場の反応と今後の展望
市場では、ホンダのEV戦略を評価する声がある。一方、トヨタはHVの需要が依然として強いため、当面は収益を確保できるとの見方もある。しかし、長期的にはEVシフトが加速する可能性が高く、トヨタの戦略に疑問を呈するアナリストも少なくない。
両社の明暗は、2024年以降のEV販売動向でさらに明確になるだろう。特に、中国や欧州でのEV需要の拡大が、日本メーカーの戦略に影響を与えると予想される。



